青山通り沿いの商業施設「ラ・ポルト青山」（渋谷区神宮前5）1階・2階に11月11日、オーガニックカフェ＆フードホール「デイルズフォード・オーガニック 青山店」（TEL 03-3486-0080）がオープンする。

2階レストラン

　創始者のレディー・キャロル・バンフォードさんが夫婦で営んでいた農場をオーガニック農場に切り替え、「リアル・フード（本物の食材）」を栽培し始めたことが原点となる同ブランド。2005年、ロンドンに開いた旗艦店をはじめ英国内に4店舗を展開。現在はドイツや韓国にも進出し、青山店は4カ国目・7店舗目の出店となる。国内展開は、英Daylesford Organic Limitedとフランチャイズ契約を締結した片岡物産（港区）が今年3月に設立したデイルズフォード･オーガニック・ジャパン（神宮前5）が手がける。

　レストランやカフェ、デリカテッセン、ベーカリー、グロサリーを併設する同店の店舗面積は1階・2階を合わせて約294平方メートル。席数は、1階・カフェ＝20席、2階・レストラン＝50席の計70席。

　本国で提供する商品の多くが「ソイル・アソシエーション（英国土壌協会）」のオーガニック基準をクリアしていることから、青山店でも「リアル・フード」にこだわる。「生産地が日本に１か所のみ」という茨城県産のオーガニックチキンや青森県産のオーガニックビーフ（短角牛）をはじめ、タカナシ乳業（神奈川県横浜市）のオーガニックミルクや、野菜、キノコ類、卵、油など国産のオーガニック農産物が全体の9割以上。バターやチーズなど一部乳製品は本国からの輸入品などを使用する。

　1階のカフェでは、「季節のオーガニック野菜と玄麦のチキンスープ」や「オーガニックブレッド」などをセットにした「オーガニック野菜のスープ・モーニング」（850円）やエスプレッソやティー（ダージリン・アッサム）、洋ナシジュース、ワイン（赤・白）などのオーガニックドリンク（450円～）を提供。デリカテッセンでは、「オーガニック牛のローストビーフとほうれん草＆レタスのサラダ仕立て」（100グラム、714円）など、月替わりで「季節の素材」を使ったメニューを常時10種以上そろえる。

　ベーカリーで提供するパンの小麦粉は、国産やフランス産、ライ麦など「パンの特徴」によって使い分ける。フランス産有機小麦粉とライ麦粉のみを使った「オーガニック・バゲット」（683円）やオーガニックオリーブ油を使った「オーガニック・リュスティック」（525円）など約15種を提供。グロサリー・生鮮食品コーナーでは、英国でオーガニック認証を取得し、卵とリンゴ酢、オイルなどの素材から作られるマヨネーズ（200グラム、1,575円）やニュージーランドのみで自生する野生植物「マヌカ」の木から採取する蜂蜜「マヌカハニー」（227グラム、5,040円）など、直輸入している英本社のオーガニック食品、国内のオーガニック野菜・フルーツなどを販売する。

　2階レストランでは、「シンプル、シーズナル＆ナチュラル」をコンセプトにした料理を提供。ランチ（14時まで）は、野菜や果物、鶏肉ブレッドなどオーガニック素材を使ったランチプレート（1,800円）などを提供するほか、ディナー（18時～）は、野菜を多く使ったコース「ファースト・テイスト」（3,800円）や、オーガニックチキン、野菜などを出す「テイスト・オブ・デイルズフォード」（7,000円）などのコース料理を提供する。コアターゲットは30代前後の女性で、想定客単価はランチ＝2,000円、ディナー＝5,000円。

　「オーガニックのものを扱っているショップ・飲食店が多い」ことなどから同所のロケーションが「気に入っている」と、Daylesford Organic Limitedジェイミー・ミッチェルCEO。日本のオーガニック文化について「（英国に比べ）まだ小さいコミュニティーであり、消費者の意識も低い。これからもっと当社のような事業が増え啓蒙活動が発達すれば、オーガニックな農作物を育てる方たちの需要が増えるのでは」と話す。「『食』を楽しんでいただき、私たちの活動を認知いただければ」と期待を寄せる。

　初年度売上目標は3億円。5年後には多店舗化も目指す。営業時間は、カフェ・ベーカリー＝9時～21時、グロサリー＝11時～21時、レストラン＝11時～22時。