今年で創立150周年を迎えた渋谷区立千駄谷小学校(渋谷区千駄ヶ谷2)で4月29日、卒業生を迎える「ホームカミングデー」が行われ、50年前に埋められたタイムカプセルが開封された。タイムカプセルは、同校100周年を記念して1976(昭和51)年3月16日、校庭の一角に埋設されていた。
当日は10時からの開封を前に卒業生がグラウンドに続々と集まり、埋められている石碑の周りで記念撮影するなどして「開封」の時を待った。山中将一校長、伊藤林太郎渋谷区教育長のあいさつに続いて、児童が作った「祝150周年」の垂れ幕が披露され、松田建設工業の松田康一社長など当時の卒業生らがスコップで土を掘り進めた。
掘っていくと、出てきたのは金属製の約50センチ四方の箱。土を払い、取り出した箱を朝礼台の上に移動して、16本のボルトを外し、ふたを開封。箱の中は湿気などの影響をほぼ受けておらず、当時のまま。箱に収められていた思い出の品々を卒業生らが慎重に取り出していった。
中からは、当時の全クラスの児童が書いた作文や1975(昭和50)年度の卒業証書をはじめ、教科書や時間割、給食の献立表や食器など、当時使われていた物が次々と取り出された。リコーダーや「週番」の腕章、「およげ!たいやきくん」のレコード、「50年後の皆さんへ」と書かれたカセットテープなども「発掘」された。
開封式の後には、同校PTAで1年前から準備を進めてきた150周年実行委員の一人、北村俊生さんが、タイムカプセル開封にまつわるエピソードを披露。タイムカプセルは、予行で掘り出そうとしたところ想定より深い位置にあることが判明したことから重機で掘り出し、その後、開封することなく浅めの場所に埋め戻して、セレモニーで掘り起こしやすいようにしたことを明かした。
収蔵品は体育館に移され、学年ごとのテーブルに並べて展示。卒業生らは年代別に各テーブルを囲み当時の話に花を咲かせていた。北村さんによると、ホームカミングデーには670人が来校。「多くの卒業生が母校で再会し抱き合う姿や校歌を聞いて涙ぐむ姿を見て、開催して本当に良かった」と振り返る。
50年前に埋められたタイムカプセルについても、「本当にあるのか、何が出てくるのか全く分からなかった中、無事に掘り起こすことができた」と安堵(あんど)の表情を見せる。「掘り出した品を見て時代を感じた」とも。個人が書いた作文などは、本人の希望があれば持ち帰れるようにしたほか、掘り出したレコードは実際に音を聴くこともできたという。
タイムカプセルの収蔵品は今後、150周年記念事業の一環で中身を展示する予定。
渋谷区の学校建て替えロードマップに基づき、同校は原宿外苑中学校と小中一貫教育校として整備されることが決まっており、2030年度をめどに同中跡に新校舎が建設された後、同校は鳩森小学校・神宮前小学校の建て替えのための仮設校舎として利用される予定。