現代美術家、村上隆さん率いるアートカンパニー「カイカイキキ」所属の女性アーティスト、坂知夏（ばんちなつ）さんが「生命（いのち）」をテーマに描いた新作を披露する企画展「坂知夏展『ゾウを食べるには一日一口ずつ』」が1月17日より、渋谷「パルコファクトリー」（渋谷パルコ・パート1・6階、TEL 03-3477-5873）で開催される。

　1973年愛知県生まれの坂さんは、1996年多摩美術大学油絵学科を卒業。2001年に出展した「妖怪フェスティバル」（東京都現代美術館）を皮切りに複数のグループ展で作品を発表、以来「小山登美夫ギャラリー」（江東区）、ニューヨークの「マリアン・ボエスキー・ギャラリー」など国内外の著名なギャラリーで個展を開催し、2005年、NYセントラルパークで発表した巨大な親子ゾウの彫刻も話題を呼んだ。

　出産を経験し、「生命」に焦点を当てた今回の個展では、坂さんにとって「安心をもたらす守護神のような存在」というゾウをはじめ、チョウや鳥、双子や擬人化されたリンゴやソフトクリームなどのモチーフをマルチカラーの鮮やかな絵画で表現した新作を展示する。愛らしさの中に独特な不安感や暗さを感じさせる作品には、生物の「生死」に向き合う畏怖（いけい）の念が底流を流れる。

　会場では最新作となる大作6点をはじめとする絵画やドローイングを公開。個展開催に伴い、初の画集「Chinatsu Ban」（カイカイキキ刊）も発売するほか、坂さんが絵を手掛けた絵本やゾウのぬいぐるみなどのグッズ販売も。

　営業時間は10時～21時（最終日は18時まで）。入場料は、一般＝300円、学生＝200円、小学生以下無料。2月9日まで。