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原宿・神宮前交差点の新施設「ハラカド」公開 「クリエーターの聖地」目指す

外観

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 表参道と明治通りが交わる神宮前交差点に4月17日に開業する新商業施設「東急プラザ原宿『ハラカド』」(渋谷区神宮前1)が同9日、報道陣らに公開された。運営は東急不動産。

スタジオやオフィス、ラウンジなどを展開する3階

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 東急不動産・東京メトロなどの権利者・特定事業参加者が開発した同施設は、旧「オリンピアアネックス」などの敷地を一体的に整備。敷地面積は約3085平方メートル。延べ床面積は地下3階~地上9階建・塔屋1棟で約1万9940平方メートル。建築家・平田晃久さん(平田晃久建築設計事務所)が担当した外装デザインは「KNIT DESIGN(まちを編む)」をコンセプトに、表参道沿いは凸凹、明治通り沿いはフラットのそれぞれガラスで仕上げた。

 まちづくりにおいて「そのエリアがもともと持っている魅力を伸ばしていく」ことを重要視するなか、原宿・神宮前を1960年代に存在した旧「原宿セントラルアパート」や竹下通りなど、その時代のクリエーターがカルチャーを創造してきたエリアと位置付け開発した。

 東急不動産は同施設、同じく同交差点に位置する商業施設「東急プラザ表参道原宿」(4月17日以降は「東急プラザ表参道『オモカド』」に改名、以下オモカド)、明治通りを1本入った路地に位置する展示やポップアップ企画を展開する「UNKNOWN HARAJUKU」など、同交差点周辺の複数物件を連動。エリア全体で新たな文化を創造・発信するプラットフォームを整えることで「クリエーティブの聖地」となることを目指す。

 位置付けは商業施設ではなく「創造施設」。施設の核として、3階は育成・支援・共創する「クリエーターのプラットフォーム」を実装。会員(月額2万5,000円~)が使えるスクリーンやスピーカーを備える小規模のシアター空間やギャラリー、アートウオールに加え、会員以外の一般客もテイクアウト利用できるコーヒーやホットドッグなどを提供できるラウンジなどで構成する「BABY THE COFFEE BREW CLUB」を中心に、ラジオ局J-WAVEが手がける個人・法人向けに音声収録ができるレンタルスタジオなどを展開。クリエーティブディレクターの千原哲也さん率いる「れもんらいふ」はフロア内にオフィスを移転。一部を来館者がのぞけるオープンな空間にしているほか、同社のスペースを「教室」に、クリエーターを育成する「リデザインスクール」を開講する。

 地下1階~地上2階は物販などのテナント33店が出店。「いろいろなこと、新しいことをやりたい」と考える企業・ブランドを重視すると同時に、神宮前交差点を、竹下通りに代表される若者文化と、表参道に連なるハイエンドな文化の「結節点」と捉え、双方を意識したリーシングを行ったという。表参道に路面店を出店していた「Dior」(今秋オープン予定)などが路面に店舗を構えるほか、「コミュニティーの場」ともなる銭湯「小杉湯原宿」、電子書籍ストア「ブックライブ」などを展開するBookLiveが手がける初の拠点となる1カ月ごとに取り上げる作品を入れ替えるグッズショップとギャラリー(ギャラリーのみ5月オープン予定)の推し活拠点「OSHI BASE Harajuku」、アパレルなども含めTENGA社の全ブランドの商品を扱う「TENGA LAND」など。

 「たまり場」として5階・6階には飲食店を展開。はす向かいの施設「オモカド」には飲食店が少ないことから充実させたという。5階は、原宿の中華料理店「紫金飯店」、日本初上陸となる韓国発チキンブランド「カンブチキン」、「新時代のファミリーレストラン」をコンセプトにする「FAMiRES」など11店が出店。6階はフードコートとなり、フルーツパーラー「The TAG by青果堂fruitsparlor」、ブリトーなど全メニューにアボカドを使うメキシカングリル「MEXICAN GRILL AVOCADO」など11店が軒を連ね、フロア内にはテーブル席やスタンディングカウンター、芝を敷いたエリアなどを用意する。

 同エリアには岡本太郎の絵画「夢」を展示する。同作は、施設が立つ再開発エリアにかつて店を構えた老舗フランス菓子店「コロンバン」創業者のために1961 年、交流があった岡本太郎が制作・寄贈。コロンバン店内での展示などを経て渋谷区に寄贈され、開業に合わせて展示が決まった。7階には館内の回遊性を高めるために屋上テラスも設けている。

 施設内には、「体験型メディア」と位置付ける場を3カ所展開。7階のテラスではビジョンとオモカドのファサードに新設したビジョンを連動させた屋外広告や、イベントスペースを連動させたプロモーションに対応。2階の雑誌図書館「COVER」は、神宮前交差点に面した窓を活用した広告掲出や、雑誌特集記事とのタイアップなどで情報発信できるようにする。地下1階・小杉湯原宿の周辺では、「湯上り文化」に着目しブランドや企業とコラボレーションすることで銭湯を通じたライフスタイルの提案を図る。

 「新たな運営方式」として、テナント同士の連携によるイベントやコンテンツの企画発信も積極的に推進。5月には小杉湯原宿と飲食テナント十数店舗が連携した「銭湯飯」の提供が始まる予定。

 営業時間は、物販=11時~21時、飲食=11時~23時(店舗により異なる)。年間集客目標は1000万人。

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