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「恵比寿映像祭」開催迫る-「映像のフィジカル」テーマに

伊藤隆介さんの「Film Studies オデッサの階段」(2006年)ミクストメディア・インスタレーション/東京都写真美術館蔵

伊藤隆介さんの「Film Studies オデッサの階段」(2006年)ミクストメディア・インスタレーション/東京都写真美術館蔵

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 東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)で2月10日から、「第4回恵比寿映像祭 映像のフィジカル」が開催される。

エキソニモの視線入力技術を使った参加型作品「The Eye Walker」

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 2009年からスタートした同祭は、「世界的な文化創造都市・東京」の実現に向けて、東京都と東京都歴史文化財団が芸術文化団体やアートNPOなどと協力して実施する「東京文化発信プロジェクト」事業の一環。全館を使い、展示、上映、ライブ・イベント、講演、トーク・セッションなどを複合的に行うほか、恵比寿エリアを中心に文化施設・ギャラリーなどでイベントを展開する「地域連携」企画も。今年のテーマは「映像のフィジカル」。映像はフィジカル(=物質的、身体的)なもので(も)あるという「基本に立ち返る」という。

 地下1階、2階、3階の3フロアで展開する「展示」部門にはアーティスト14組が参加。映像作家・北海道教育大学准教授の伊藤隆介さんの、乳母車のオブジェを小型CCDカメラで写した映像を壁面に投影し「オデッサの階段」を落ち続ける「Film Studies オデッサの階段」、韓国人映像作家ヂョン・ヨンドゥさんの、アニメーション手法を使い静止画と動画を組み合わせて韓国の街をつくり出した「シックス・ポインツ」、オランダのアーティスト、カロリン・ツニッスさん&ブラム・スナイダ―ス Sitdさんの超ミニマル・プロジェクション・マッピング作品「Re:」など。

 1階「上映」部門では15作品を上映。リトアニア出身「実験映画界の巨匠」ジョナス・メカス監督の新作「スリプレス・ナイツ・ストーリーズ眠れぬ夜の物語」、ニューヨーク・タイムズの2007年~2008年の動向を追ったドキュメンタリー「ページ・ワン:ニューヨーク・タイムズの内側」(アンドリュー・ロッシ監督)など3本をアジアプレミア上映。そのほか、空撮技術を使いスノーボーダー、トラビス・ライスさんが雪山を滑る様子を収めた「The Art of Flight」、東日本大震災の証言を映像で記録したオーラル・ヒストリー「なみのおと」、米ミュージシャン、ジム・オルークさんがプログラミングを手掛けた「四稜鏡(プリズム)」なども。

 恵比寿ガーデンプレイスのセンター広場では、ウェブを中心に活動を続けるアート・ユニット「エキソニモ」の「The Eye Walker」を紹介。複数のビデオカメラ付きモニターを広場周辺に設置し、それぞれのビデオカメラが見る映像を体験者の視線で移動していく視線入力技術を使った参加型作品となっている。そのほか、映画監督や建築家などをゲストに迎えシンポジウム、レクチャー、出品作家によるラウンジトークも行う。

 地域連携では、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ「AIT/エイト」(猿楽町)でのジョン・ヨンドゥさんのトークをはじめ、複合アート施設「NADiff A/P/A/R/T(ナディッフ・アパート)」(恵比寿1)、多目的クリエーティブ・スペース「amu(アム)」(恵比寿西1)などでテーマを「緩やかに」共有したプログラムを展開する。

 開館時間は10時~20時(最終日は18時まで)。入場無料(上映プログラムなど一部有料イベントを除く)。月曜休館。2月26日まで。詳細は同祭オフィシャルサイトで確認できる。

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