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関電不動産開発、並木橋交差点そばに渋谷初のオフィスビル 共用テラスも

「関電不動産渋谷ビル」外観

「関電不動産渋谷ビル」外観

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 関電不動産開発(大阪市北区)が渋谷で初めて手がけた新築オフィスビル「関電不動産渋谷ビル」が2月20日、竣工した。

最上階の共用テラス「Sora Terrace(ソラテラス)」

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 大阪に本社構える同社は関西圏を中心に賃貸投資開発事業や分譲住宅事業などを展開してきたが、ここ数年は首都圏や東北、東海へ事業を拡大。首都圏におけるオフィスビル開発では、2022年に竣工した「関電不動産八重洲ビル」(中央区)に続き2棟目となる。

 並木橋交差点近く、JR山手線沿いに立地する同ビルの敷地面積は、2085.51平方メートル。地上12階建てで、1階~11階はオフィスで、ワンフロアの基準階面積は約1000平方メートル(約302坪)。1階・2階は「らせん階段」の吹き抜けでつながる2層のフロアで、2階テラスから直接オフィスへ入れるようにした。最上階の12階は、ラウンジ「Sora Lounge(ソララウンジ)」とルーフテラス「Sora Terrace(ソラテラス)」から成る共用スペースで、同ビルで働く人々がランチやくつろぎ、打ち合わせなどで自由に使うことができる。パーティーやプレゼンテーションなど貸し切り利用にも対応する。

 渋谷開発にあたり、藤野研一社長は「渋谷は若者、ベンチャー、ITなど、他の副都心とは違う。どんなオフィスが望まれているのか、試してみたいという気持ちもあった」と話す。開発に向けて2019年ごろから同社の20代若手社員や設計施工を担当した竹中工務店の若手社員らと一緒にワークショップを開きアイデアを募ったという。

 若手女性社員らは「Voicy(ボイシ―)」を活用したPR番組「ビル開発女子と働くとオフィス」を2021年10月に立ち上げ、毎週木曜に「渋谷での働き方」「新しいオフィスの在り方」などをテーマにカジュアルな女子トークを配信したり、都心の最新オフィスビルの見学会でリサーチを重ねたりするなどして、開業に備えてきた。

 「多様な個性を受け入れ、常に新しい文化を発信する渋谷の街」を意識し、開発コンセプトは「OUR PLACE. OUR STORY. 『らしさ』あふれる、わたしたちのオフィス。」。オフィスフロアの細部に「渋谷らしい働き方」に応える機能を備えたという。各階のオフィス内には、オフィスキッチンなど水回りが設置できるエリアや奥行き2.5メートルの広い専用テラスを設けるほか、トイレには小物を収納できるプライベートボックスを設置。女性トイレには、パウダーカウンターや着替えなどができるドレッシングルームを併設するほか、12階の共用フロアには誰もが利用できるオールジェンダートイレ「Restroom+(レストルームプラス)」も設けた。

 「渋谷らしい」個性的なオフィス環境づくりとして、共用スペースやトイレの壁面には、ストリートアートなどを手がけるアートエージェンシー「TokyoDex(トウキョウ・デックス)」(世田谷区)がキュレーションした4人のアーティストによるウオールアートを展開。1階エントランスに設置する200インチの大型モニターでは、渋谷にあるデザイン系専門学校の学生らが渋谷の街で撮影した映像作品を流す。

 リーシングについて、藤野社長は「渋谷らしい企業や全国的に知られる企業などの入居が既に決まり、かなり順調に進んでいる」と自信をのぞかせる。

 引き渡し時期は内装工事を経て6月、7月ごろを見込む。

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