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「メイプルソープ写真集」わいせつ性否定-アップリンク社長が勝訴
(2008年02月19日)
映画配給事業などを手がけるアップリンク(渋谷区宇田川町)の浅井隆社長が国を相手取り、米写真家ロバート・メイプルソープの写真集が輸入禁止のわいせつ書籍にあたるかを争った訴訟の上告審判決が2月19日、最高裁であり、原告・浅井社長の逆転勝訴が確定した。
問題となった写真集は、ヌードやセルフポートレートなどのモノクロ写真で知られ、1989年に他界したメイプルソープの作品をまとめた「MAPPLETHORPE」の日本版。アップリンクが米出版社のランダムハウスから国内販売権を取得し、1994年11月に販売を開始、これまでに900冊以上を売り上げている。
警察の取り締まりを受けることなく、国内で5年間の「販売実績」を残した浅井社長が、この写真集を商用見本品としていったん米国に持ち出し、再び国内に持ち込もうとした際に「わいせつ書籍」にあたるとして税関に没収されたのが、1999年9月の出来事。自らが原告となり、国を相手に裁判を起こすケースを想定して一連の手順を踏んできた浅井社長は、その後関税定率法で輸入禁止の処分通知を受けたのを機に、国と東京税関長を相手取り、処分の取り消しと損害賠償を求め訴訟を起こす。
一審・東京地裁の判決は浅井社長の勝訴。この判決を不服として国側が控訴した二審・東京高裁判決では一転、税関の処分を妥当とする判決が下る。浅井社長は最高裁判所へ上告、今年1月22日の上告審弁論を経て、このほど最終判決に臨んだ。
上告審判決では、訴訟の争点にもなった写真集の男性器をあらわに写した作品について、芸術的観点から編集されたものと判断、全体の中で問題とされたページが348ページ中19ページと少なく、モノクロ写真であることからも輸入禁止にあたらないとして、二審判決を破棄。浅井社長の逆転勝訴が確定した。
浅井社長は勝訴の背景について、自ら記事を投稿したホームページ上で「判決を覆すほどの時代の変化はなにか、それは(中略)インターネットのブロードバンド化」とコメント。今後映画を輸入する際にも「今回の判決がよいように働けば」とし、「写真集などでも局部を黒く塗りつぶしたり、ヤスリで削っての輸入、出版がなくなる方向にわいせつの基準が変わったと思います」と判決内容を評価した。
渋谷「アップリンク・ファクトリー」(宇田川町、TEL 03-6825-5502)では3月7日、裁判で勝訴したメイプルソープ写真集の展示と、浅井社長によるトークイベントを開催。関連企画として2月25日より、仏アート映画の無修正ノーカット上映も行う(3月2日まで)。
メイプルソープ写真集裁判、浅井隆社長投稿記事(webDICE)映画「カルラのリスト」公開−旧ユーゴ国際刑事法廷に迫る(シブヤ経済新聞)テロ・同性愛を描いた話題作「ラズベリー・ライヒ」日本公開(シブヤ経済新聞)アップリンク、宇田川町の自社拠点で「カルチャー蚤の市」(シブヤ経済新聞)渋谷アップリンクで「アルメニア映画」特集上映(シブヤ経済新聞)
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