特集

今年も、お騒がせモード全開?!
決定!「2002年 シブヤ十大ニュース」

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■「テレビ出稿量」調査とは

テレビの調査と言えば「視聴率」調査。ビデオリサーチが、全国でランダムに抽出されたサンプル世帯での視聴状況を集計し、テレビ全放映時間について「視聴率」をはじき出している。一方で「出稿量」調査という、ちょっと耳慣れない調査がある。この調査結果を応用した例としては、情報番組「ブロードキャスター」(TBS系)の人気コーナー「お父さんのためのワイドショー講座」のランキング。1週間の中で各局のワイドショーで紹介されたテーマを集計し、放映時間順にランキングしている。このサービスを手掛けるのはプロジェクト(本社:港区)。同社では、日々膨大な量で放映されるテレビの情報を、独自のデータベースシステムに蓄積している。放映時間やタイトルだけでなく、番組毎の放映内容や放映時間等が詳細にデータ化されているため、日付をさかのぼって様々な検索やデータの抽出を可能にしているのが特徴。さらに、依頼を受ければ、サッカーの試合やマラソンに協賛した企業のマークやロゴが、放映時間内にどれだけの秒数露出されたかを集計することもできる。

プロジェクト

■決定!2002年、広域渋谷圏の「十大ニュース」

日々、様々なメディアを通じて大量に情報発信される広域渋谷圏の今年の動向を把握するため、同社協力のもと、在京6局でオンエアされた放映時間をもとにランキングを行った。調査対象期間は2002年1月1日から12月25日。

順位 トピックス 出稿番組数 出稿時間
1 サッカー・ワールドカップ、日本代表の快進撃でサポーターがセンター街へ 119 29:04:00
2 人気店が集積。カフェ特集(渋谷・青山・原宿・代官山・恵比寿) 194 27:36:11
3 話題のCM・タレントが巨大広告・屋外ビジョンに続々登場 104 7:53:46
4 セルフスタイルが新鮮。さぬきうどんが突如大ブレーク 36 4:46:12
5 ルイ・ヴィトン、表参道にオープン 43 4:03:28
6 ジュニアマーケットを刺激、ナルミヤ・ジュニアシティが109-2にオープン 20 2:20:00
7 伝説のディスコ「キサナドゥ」が青山で復活 10 1:47:43
8 まだまだ続く、渋谷の人気デパ地下 31 1:43:47
9 多くのアーティストが路上ライブ敢行 35 1:30:39
10 りんかい線・埼京線の相互直通運転開始、渋谷~お台場間19分に 52 1:17:39

1位「サッカー・ワールドカップ、日本代表の快進撃でサポーターがセンター街へ」(番組数=119/放映時間=29:04:00)
見事1位に輝いたのは「ワールドカップ」。全国に開催地が分散した結果、首都圏の若者が渋谷に自然発生的に集結、ある種の群集心理状態から一部が暴走し、センター街での騒動などもニュースで報道された。また、渋谷には「ワールドカップ」のオフィシャルショップや「ワールドスポーツプラザ」などもあり、テレビ各局も都心部での関心の高さを報道するため、渋谷周辺の様子が度々流された。ワールドカップ開催期間、渋谷周辺では居酒屋や中華料理店なども即席でテレビを設置して「にわか」スポーツバーに変身したケースも目立った。ピークは6月14日の対チュニジア戦で決勝トーナメントへの進出が決定した瞬間。大量の警察官が動員される中、見る見るうちにハチ公前交差点が人で埋まり、騒乱の場と化した光景はテレビを通じても広く報道された。非日常感の高い渋谷を舞台に繰り広げられた、いわば非日常性の高い光景がインパクトを生み、今年の1位に輝いた。

サッカー・ワールドカップ

2位「人気店が集積。カフェ特集(渋谷・青山・原宿・代官山・恵比寿)」(番組数=194/放映時間=27:36:11)
ここ数年の「カフェブーム」の流れを受け、今年の夏頃までは渋谷周辺の「カフェ」の光景やメニューがモニターを通じて紹介されていた。特定のカフェが紹介されている訳ではないが、年間を通じて見ると、広く薄く、広域渋谷圏のカフェが様々な形で紹介されていたことの証でもある。

フレッシュネスバーガー・カフェ

3位「話題のCM・タレントが巨大広告・屋外ビジョンに続々登場」(番組数=104/放映時間=7:53:46)
全国に伝搬する「情報発信力」の高さを背景に、渋谷では大型のプロモーションが仕掛けられるケースが今年も多かった。日本代表の新しいユニホームが発表された6月4日には、八チ公前広場の東急東横店壁面に、中村俊輔選手自身をモチーフにした縦25メートル×幅20メートルの巨大広告が、決まったばかりのユニホームを着て登場し話題をさらった。また、11月には、レーサーに扮した浜崎あゆみの巨大広告が、スペイン坂に今春完成した「ゼロゲート」壁面に登場、顔の大きさは縦5.2メートル×横3.2メートルだった。ハチ公前の屋外ビジョン群でも、同時に3つのビジョンが連動する「シンクロ」上映が広告主の人気を集めた。J-POP系アーティストや映画のプロm-ションとの連動感も高く、8月に公開された「リターナー」では、大型ビジョンを通じて携帯電話からその場で応募できる試写会プロモーションを敢行し、話題を集めた。

巨大広告

4位「セルフスタイルが新鮮。さぬきうどんが突如大ブレーク」(番組数=36/放映時間=4:46:12)
今夏、突然弾けた話題が「さぬきうどん」。きっかけとなったのは、8月25日に恵比寿駅東口改札内にオープンした「さぬきうどんNRE&めりけんや」と、9月6日、公園通りにオープンした「まんまるはなまるうどん東京渋谷公園通り店」。今や両店とも行列のできる店となり、その後、都内各所にさぬきうどん店の登場を誘発した。以前は四国に足を運ばなければならなかった「本格的」なさぬきうどんが「気軽に」、しかも現地と同等の「リーズナブル」な価格で食べられるという3拍子揃った新業態の出現に、テレビ各局のレポーターも駆け付けた。加えて「セルフスタイル」という新しい食べ方も、消費者のエンタテイメント感をくすぐった。今夏以降という短いスパンながら4位に輝いた点に、今だに続く話題性の高さが感じられる。

まんまるはなまるうどん

5位「ルイ・ヴィトン、表参道にオープン」(番組数=43/放映時間=4:03:28)
昨年9月に開業した「エスキス表参道」に続き、今年9月1日にオープンした「ルイ・ヴィトン」。建築家の青木淳氏が設計したトランクが積み上げられたような個性豊かなビルが話題に。同ビルには世界でも最大級の広さとなる「ルイ・ヴィトン表参道店」に加え、日本初のVIPサロン、多目的スペースのLVホールが併設されたほか、コンシェルジュの登場でも話題を集めた。セレブを多数集めて開催されたレセプションや、今でも続く行列の模様がテレビでも放映され、スーパー・ブランドの旗艦店が続々と集結する表参道の今を象徴していた。

ルイ・ヴィトン

6位「ジュニアマーケットを刺激、ナルミヤ・ジュニアシティが109-2にオープン」(番組数=20/放映時間=2:20:00)
10~14歳の“バブルジュニア”たちをターゲットにしたジュニアマーケットの覇者、ナルミヤが今春109-2に同社の主力4ブランドを集めた「ナルミヤ・ジュニアシティ」を出店、春の新入学シーズンとも重なり、マスコミ各媒体から高い注目を集めた。オープニングイベントに109-2の屋上で開催されたファッションショーやジュニア世代で混み合う店内の様子が報道された。また、ますます進む少子化の影響を受けて、近親者に6人の“財布”を持つ「シックスポケット」説も浮上し、ジュニアマーケットの将来性にも期待がかかる。関係者によると「もしかすると109よりも109-2の方が客単価が高い可能性も」という声も聞かれたのが象徴的だった。

ナルミヤ・ジュニアシティ

7位「伝説のディスコ、キサナドゥが青山で復活」(番組数=10/放映時間=1:47:43)
今春、70年代末に六本木で一斉を風靡した伝説のディスコ「XANADU(キサナドゥ)」が復活した。1979年に開店し、わずか16ヶ月間という短期間の営業にもかかわらず、ディスコ業界では今もなお語り継がれているディスコ。ドレスコード・チェックやチークタイムも復活。音楽は70~80'sソウル、ダンスクラシックが中心で、ターゲットは「かつて遊んでいた方で、現在30~50代の管理職世代」。70年代~80年代にかけての流行復活の兆しも見られ、12月にはカフェバーの奔りとなった「レッドーシューズ」も8年の歳月を経て復活。今や情報の送り手となった世代が学生時代を謳歌したテーマに注目が集まる。こうした「復活」トレンドは、「オトナの遊び場」を探す世代の注目が集まる。

キサナドゥ

8位「まだまだ続く、渋谷の人気デパ地下」(番組数=31/放映時間=1:43:47)
まだまだ息の長いデパ地下人気を感じさせる8位のランキング。2000年春に大規模リニューアルを行い、今の「デパ地下」ブームに火を付けた東急東横店の「東急フードショー」は、今やテレビの「デパ地下」特集には欠かせない存在。デパ地下人気の秘訣は、テナントの入れ替え。デパートのバイヤーは人気専門店を口説いて、「デパ地下初出店」に向けて奔走する。東急フードショーも例外ではなく、今年2月、シュークリーム専門店の「ビアード・パパ」がオープンし、連日行列が出来る様子を繰り返しテレビが報道した。ただ、東急フードショーへは「初出店」でないにもかかわらず、1階の目立つ場所への出店ということもあり、同店のブランドは一気に全国化した。

ビアード・パパ

9位「多くのアーティストが路上ライブ敢行」(番組数=35/放映時間=1:30:39)
今年の成人の日、派手な着物姿で「路上ライブ&ファッションショー」を開催したのはhitomi。場所も、渋谷のマルイシティ→原宿キディランド横、青山ハナエ・モリビルと移動した。この間、約1時間半。もちろん事前告知は一切行わず、外国人モデル8人とダンサー4人をバックに従え、突然始まるライブは、渋谷の街に大きなインパクトを与え、その模様をさらにテレビがニュース性の高い話題として伝えるなど、新曲のプロモーションに大きく寄与した。渋谷の情報発信力を活用したプロモーションとして音楽界では人気が高い手法だが、実現には周到は準備が要求される。

10位「りんかい線・埼京線の相互直通運転開始、渋谷~お台場間19分に」(番組数=52/放映時間=1:17:39)
12月1日、りんかい線の延伸で埼京線との相互直通運転が開始されたことに伴い、渋谷から乗り換えなしでお台場まで行けるようになった。所要時間は、渋谷~東京テレポート間が19分。お台場に本社を構えるフジテレビでは、短縮された時間をアピールするため、同社のキャラクター「ラフくん」を動員し、マークシティ前でキャンペーンも展開した。地元商店街でも、この相互直通運転がもたらす広域渋谷圏への影響を気にする声もある。

りんかい線

ベスト10圏外については以下の通り。(放映時間=15分以上)

11位「香港デザートレストラン、糖朝が表参道にオープン」(番組数=11/放映時間=1:09:39)
香港では大人気のデザートレストランの1号店が今秋、ついに青山に登場。香港旅行客を含め、もともと知名度が高かったレストランだけに、オープン当初より主婦層やOL層の行列が見受けられた。

糖朝

12位「恵比寿ガーデンプレイスにオープン以来の新施設=グラススクエア登場」(番組数=10/放映時間=0:45:00)
一躍、恵比寿を人気の街に押し上げたガーデンプレイスが、オープン以来の新施設登場で話題を集めた。「アルマーニ・ジーンズ」やサンドイッチカフェ「べヌーゴ」など多くの「日本初出店」が最大の特徴。丸ビルや汐留、六本木など、今後加熱する都心部の地域間競争に備えた集客力の強化を図る。

恵比寿ガーデンプレイス

13位「チョコベッカム 公園通りに登場」(番組数=22/放映時間=0:43:24)
明治製菓アーモンドチョコレートの「メッセージ・フロム・ベッカム」キャンペーンの一環で登場した、高さ3メートルのチョコ製ベッカム像。マスコミを集めた除幕式を109前で行い、公園通り沿いの特設会場に25日まで9日間展示された。「絵になる」要素が多く、放映時間に寄与した。

チョコベッカム

14位「続々オープン、個室系レストラン・居酒屋」(番組数=9/放映時間=0:34:37)
「繭」「忍庭」「万葉庭」などに端を発した飲食業界のトレンドと言えば「個室系」ブーム。個室系をリードする空間デザイン会社の「キューブ」は、今年8月、サメの泳ぐプールをセンターに配したリゾート系個室空間「セレブ」をオープンした。それまで「個室系=和食系」という常識を覆した空間は、やはり「絵になる」素材として多くの取材が入った。

CELEB(セレブ)

15位「東急本店全面リニューアル」(番組数=6/放映時間=0:30:12)
今年3月、東急本店が全面リニューアル・グランドオープン。地階のデパ地下フロアには、青山の高級スーパー「紀伊国屋」を誘致し話題を集めた。1階にはシャネルやブルガリなどの超高級ブランドショップが軒を連ねており、ステータス感の向上を図っているのが特徴。一方、10月には開店35周年を記念して、35周年にちなんだ期間限定の350円ランチも登場した。

16位「パルコ・パート1 、開業初の大規模リニューアル」(番組数=5/放映時間=0:15:18)
区政70周年記念事業として取り組まれた公園通りの道路整備工事に合わせて、パルコ・パート1が1973年の開業以来初の大規模リニューアルを行った。8月から来年1月にかけて段階的なリニューアルを行い、「オトナ化」に対応した店づくりを推進する。パート3に移転オープンした「パルコミュージアム」や地階に初登場した「カフェアプレミディ」初のセレクトショップなどが話題に。

パルコ・パート1
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