写真でたどる「昭和」史シリーズ第3弾-高度成長期の光と陰

「落書き遊びも危険になった東京、台東」(田沼武能、昭和34年)

「落書き遊びも危険になった東京、台東」(田沼武能、昭和34年)

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 東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)は8月25日より、戦後の「昭和」史を4シリーズに分けて振り返る自主企画「『昭和』写真の1945-1989」の第3部「高度成長期」(昭和30~40年代パート2)を開催する。

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 第2部「ヒーロー・ヒロインの時代」に続いて取り上げるのは、高度成長期時代を迎え、都市風景や生活の変化とともにより内的な世界を捉えるようになった写真家たちの作品。荒木経惟さんや森山大道さんら日本を代表する写真家たちも登場する。

 展示は3部構成。1部「光と陰-高度成長期の光景」では、戦後史を捉えたリアリズム写真から冷静な視点で捉える社会的ドキュメンタリー写真の台頭へと変ぼうを遂げた高度成長期の光景を取り上げる。戦前の写真家とは断絶した立場で写真を捉えようとする「戦後派」が台頭してきたのもこの時期。2部では「戦後派(アプレ・ゲール)-重層化したメッセージ」と題し、戦後活動を始め新たな表現方法を模索してきた写真家に焦点を当てる。

 3部は「ブレボケ・コンポラ・私写真-個人化する視点」。生活様式の変化で「家族観」などの価値観も変容する中で、プライベートな風景を被写体とする表現も目立つようになる。米国写真家の影響を受け風潮が高まった個人的視点で捉える「コンポラ写真」の代表作として、荒木経惟さん、石元泰博さんらの作品を紹介する。

 会場は3階展示室。入場料は一般=500円、学生=400円ほか。10月14日まで。次期展示は第4部「オイルショックからバブルへ」(昭和50年代以降)を予定している。

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