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宮城産綿100%のタペストリー、渋谷・神宮前で製作中

タペストリーを手織りするかすりデザイナーの大水綾子さん

タペストリーを手織りするかすりデザイナーの大水綾子さん

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 東日本大震災被災地の農業生産組合・農業法人とアパレル関連企業などが共同で復興を目指す「東北コットンプロジェクト」(事務局=渋谷区代々木1)の一環で現在、宮城産の綿を使ったタペストリーの製作が渋谷・神宮前で進められている。

織り上がったタペストリーの一部

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 2011年に発足した同プロジェクトは、津波で稲作が困難になった農地で被災農家が「塩害に強い」綿(コットン)を栽培し、参加企業か糸を紡いで商品を作り販売することで復興を支援するもの。現在80社・団体が参加している。

 タペストリーには、2012年度に仙台市・荒浜地区と名取・耕谷地区(合わせて8ヘクタール)で収穫した約470キロの綿花から紡いだ綿100%の糸を使う。製作を担当するのは、神宮前にアトリエを構えるかすりデザイナーの大水綾子さん。大水さんは、織る前に染色した縦・横それぞれの糸で模様を作る「縦横絣(がすり)」という技法で作品などを織っている。

 作品のタイトルは「Cotton into the dream sky」。夕焼け(=dream sky)の中に広がる綿畑をデザインしたもので、綿花が雲になっていく様子で亡くなった人の鎮魂や魂の浄化を表現する。サイズは縦1メートル55センチ×横2メートル65センチほど。22色を使い夕焼けのグラデーションなどを表す。

 昨年1月にデザイン画・織り設計を行い、同年2月から製作を開始。デザインに合わせた染色、防染のくくり外しなどの作業をへて実際に手織りしていくのだが、柄がずれないように慎重に進めるため、1日8時間の作業で織れるのは10センチほどだという。

 大水さんは「いろいろな人の思いがつまっている。亡くなった方々の魂を鎮めるとともに、生き延びた方々の希望となるよう、自分ができることを100%尽くすだけ」と話す。

 タペストリーは10月中に完成させ、11月17日仙台空港に寄贈予定。

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