東急百貨店は4月21日、渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)の商業施設「渋谷ヒカリエ ShinQs」の店舗名称を「ShinQs by TOKYU DEPARTMENT STORE」に変更すると発表した。6月11日から、新たな屋号で営業する。
東急百貨店は、1934(昭和9)年に東横線渋谷駅直結のターミナルデパート「東横百貨店」として開業。その後「東急百貨店東横店」として約85年にわたり営業を続け、駅周辺の再開発に伴い、2020年3月に閉店。渋谷では2023年1月、再開発に伴い「東急百貨店本店」も55年の歴史の幕を閉じ、「東急百貨店」の屋号はなくなっていた。
今回、店舗名称を改める「渋谷ヒカリエ ShinQs」は、東急百貨店が運営。2012(平成24)年4月に「渋谷ヒカリエ」開業とともにオープン。地下3階~地上5階の8フロア約1万6000平方メートルにわたり、食料品やコスメ、アパレル、雑貨など、賃貸と自主・委託を組み合わせたテナント約230店を展開している。
当初は20~40代の働く女性をターゲットに開業渋谷ヒカリエ上層階にオフィスフロアも擁していることから、現在は平日はオフィスワーカーやクリエーター、週末は来街者、インバウンド客などが増加。2025年度の売上高は256億3,466万円(前年度比101.1%)と、3年連続で過去最高売上を更新している。
渋谷でまちづくりを進める東急グループは、百貨店やショッピングセンター、スーパーマーケットなどのリテール事業、エンターテインメントや文化事業、ホテル事業など、まち全体を「一つの商業施設・モール」と捉えて施設・売り場づくりを推進。百貨店運営については、全国的にもピーク時から売上が4割以上減少しているとし、ショッピングセンター化しているものの、「おもてなし」やギフト対応、外商などを強みに据える。
渋谷では駅直上の複合高層施設「渋谷スクランブルスクエア」内にも商業フロアを運営しており、フードやビューティーなど百貨店で培ってきた売り場を展開。今回、「渋谷に『東急百貨店はもうない』と受け止められている」(プロジェクトリーダーで店舗運営事業部副事業部長・渋谷戦略推進担当の赤田敏彦さん)ことを違和感を抱いたことから、名称変更の議論が始まったとう。
百貨店機能を「さらに進化させていく」という思いを込めて、「TOKYU DEPARTMENT STORE」の屋号を冠することで百貨店の存在意義を明確にするという。同時に、「日吉東急アベニュー」も「東急百貨店 日吉店」に店舗名を変更する。
店舗名変更に併せて、1階のビューティーフロアにポップアップフロアを新設。「体験型コンテンツ」や日本未上陸の海外ブランドを展開。「クリエーター発掘の機会」を増やす、
地下2階・地下3階のフードフロア「東横のれん街」は、ロゴデザインを刷新。リブランディングを図り、新規ブランドを誘致するほか、オフィスワーカー向けの施策を強化。来店と滞在消費の促進を狙う。
東急百貨店が現在渋谷エリアで展開するのは、渋谷ヒカリエShinqs、渋谷マークシティ(道玄坂1)地下の食料品店街「渋谷 東急フードショー」、「東急フードショーエッジ 渋谷スクランブルスクエア店」(渋谷2)、コスメ・ビューティーフロア「+Qビューティー 渋谷スクランブルスクエア店」(同)、ファッション雑貨フロア「+Qグッズ 渋谷スクランブルスクエア店」(同)、SHIBUYA109渋谷店内でコスメティクスなどを扱う「Dress Table by ShinQs ビューティーパレット」(道玄坂2)、ワインショップ「THE WINE by TOKYU DEPARTMENT STORE」(松濤1)といった7店舗。総売り場面積は2万7000平方メートル以上。