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恵比寿の老舗イタリアン「コルシカ」復活 10年勤めたシェフが店継承

「コルシカ」(写真=店内)で客を出迎える北村さん

「コルシカ」(写真=店内)で客を出迎える北村さん

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 2021年に惜しまれつつ閉店した恵比寿の老舗イタリアン「コルシカ」(渋谷区恵比寿南3)が、駒沢通りに面した同じ場所に再出店し、3月14日で1カ月が過ぎた。

人気メニュー「コルシカ風ライスグラタン」も復活

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 老朽化に伴い建て替えられた新築ビルに、店名を一部改め、「コルシカ 1970」(TEL 03-6826-2074)として「復活」した。閉店前、10年以上にわたりコルシカに勤めたシェフ北村新さん(39)が、創業者の重本一夫さんから直々にのれんを引き継ぎ、新オーナーシェフとして店に立つ。新たに付けた「1970」は、コルシカの創業年だ。創業年を入れることで、「今までの50年の歴史と、次の50年を目指すという意味も込めた。重本さん含め、コルシカOBの方たちに逐一報告して決めた」と由来を明かす。

 店の広さは旧店舗と変わらず約10坪だが、店に入るとすぐにカウンター(8席)を設け、奥にある個室(4席)を含め、かつての20席より席数を減らし、「良い意味での雑多さはない」(北村さん)と、モダンな印象に刷新。名物のベシャメル(ホワイト)ソースを使った「ライスグラタン」や、ニンニクを利かせたエスカルゴバター、イカスミソースなどを使った「日本人が好む」味付けのイタリアンを引き継ぎ、新たなメニュー表に並ぶのも、「コルシカで出していたメニューがほぼ全部」と北村さん。

 「コルシカの良いところは、たくさんのアラカルトがあったところ。『ここに来たらこれを食べる』というのが皆さんの中にある。元のメニュー数がとても多かったので、だいぶ絞った」と、全てをメニューに並べることはできなかったが、人気のメニューは一通り再現。「事前にリクエストがあれば、メニューに載っていないものも作れる」と言う。

 ベシャメルソースの下に、カレー風味に味付けしたご飯(ドライカレー)を仕込む「コルシカ風ライスグラタン」(1,600円)、人気メニューの「イカスミのスパゲティ」(1,800円)をはじめ、「コルシカ風ピザ」(1,500円)、「きのこのリゾット」「若鶏の猟師風煮込み」(以上1,600円)など、厨房(ちゅうぼう)に一人で立つ北村さんができる限りの料理に対応する。

 2021年7月の旧コルシカ閉店後、外苑前の中華料理店「慈華 (itsuka)」(港区南青山2)で独立に向けて2年間働き、オーナーシェフ田村亮介さんの下で、経営面やワインペアリングなどについても学んだ。回転率が高かった以前の店に対し、「良いワイン」も置くなど、遺伝子を継ぎながらも北村さんの手による新たな「コルシカイズム」を目指す。ワインは「世界中のワインを試していただけるように」と、フランスをはじめ、中国やグルジア、ニュージーランドなどのものをそろえ、グラスワイン(赤・白)は1,100円~。ボトルは7万円台のものも用意する。

 オープン後1カ月がたち、かつての常連客らが訪れ、「復活を第一に喜んでもらっている」と言い、「コルシカを名乗れると思っていなかった。重本さんのおかげで僕がある。OBの皆さんも名乗っていいと言ってくれた」と、感謝の言葉を口にする。旬の食材を使った前菜の盛り合わせなど、メニュー表には載せていない北村さん独自の料理も提供していく。客単価は8,000円~9,000円。

 営業時間は17時~24時。

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