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東急本店のワイン売り場、渋谷・松濤で継承 新路面店にはワインサーバーも

路面店としてオープンする「THE WINE by TOKYU DEPARTMENT STORE」の店内イメージ

路面店としてオープンする「THE WINE by TOKYU DEPARTMENT STORE」の店内イメージ

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 1月31日に閉店した「東急百貨店本店」(渋谷区道玄坂2、以下「東急本店」)で営業していた地下1階ワイン売り場が3月10日、ワインショップ「THE WINE by TOKYU DEPARTMENT STORE」(松濤1)として本店近隣のオーチャードロード沿いに移転オープンする。

試飲カウンターのイメージ

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 東急本店内で営業していた「THE WINE」は、「要望が多かった」ブルゴーニュワインを中心に定番、希少性の高いもの、トレンド商品など常時約2000種類をラインアップ。1990 (平成2)年に本格的なワインセラーを導入し温度管理を徹底したことが、同年代のワインブームで客からの信頼を得た。

 「THE WINE」ではワイン専門スタッフ8人のうち7人がソムリエの資格を保有。利用者は飲食店で働く人や専門誌の編集者、スクールの講師なども含め「ワイン愛好家」が多いなか、スタッフそれぞれに「顧客が付いていた」と言い、客の購入履歴や好みなども記録し把握していた。購入する商品を決めて来店する客もいたが、相談しながら購入する商品を決める客も多かったという。

 1月に入ってから来店客は昨年の「倍くらい」になったというが、営業終了前1週間は「それが加速して、昨年の5倍以上」に増えた。商品を購入するだけでなく、「あいさつに来た」「最後だから様子を見に来た」という人も「非常に多かった」という。

 東急本店の営業終了を発表した際に、同売り場の継続を希望する声が寄せられたことに加え、利用客と「リアル店舗における接点を持ち続けたい」(東急百貨店)という思いから営業を続けることを決意。東急グループが手がける施設内なども検討したが、東急本店と同じ松濤エリアへの移転を決めた。

 2009(平成21)年~2014(平成26)年に同売り場の責任者を務めていた本店の食料品統括マネジャー川口淳(あつし)さんは、「非常に胸がいっぱいだが、新店に期待している声も頂くとあまり感傷的になるばかりではなく、引き続き利用していただいてもがっかりさせないよう、気持ちを引き締めて新店を準備している」と話す。昨年12月ごろに「10年くらい前に川口さんに薦められて買ったワインを開けたけどすごく良かった」と顧客から言われたことを明かし、「ワインはお付き合いのタームが長い。空けたときの感想を言い合いたいという気持ちがあるというのを痛感してうれしかった」と笑顔を見せた。

 「THE WINE by TOKYU DEPARTMENT STORE」の店舗面積は約150平方メートル。「THE WINE」のコンセプトを引き継ぎ、本店で営業していた時の品ぞろえや、売り場スタッフによる接客、有料試飲やワイン生産者によるセミナー、テイスティングカウンター(最大10席)の設置を続ける。路面店として新しい客も「気軽に」立ち寄れるよう、セルフで利用できる有料試飲ワインサーバーも設置する。

 営業時間は11時~19時。

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