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「コレクター」を通じて現代アートを紹介 原宿に新空間、現役医師が開く

ビンテージマンションの一室にオープンする新空間「PROJECT501」

ビンテージマンションの一室にオープンする新空間「PROJECT501」

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 ビンテージマンションとしても知られる原宿・明治通り沿いのビル「ビラ・ビアンカ」(渋谷区神宮前2)の一室に7月28日、「コレクター」を通じてコンテンポラリーアートを紹介するスペース「PROJECT501(プロジェクト ゴーマルイチ)」がオープンする。

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 アーティストではなく「アートコレクター」に焦点を当て、コレクターのライフヒストリーと共に収集作品を展示する。都内で耳鼻咽喉科医として勤務する和佐野(わさの)有紀さんが代表を務め、コレクターが初めて購入した「ファーストピース」やインタビュー映像などを展示作品と併せて紹介することで、コレクターとアートの関わりに迫る。

 和佐野さんは慶応義塾大学大学院美学美術史専攻アートマネジメント分野前期博士課程を修了し、美術について学んだ経験を持つ。「アート購買モチベーションによる現代アートコレクター類型化」と題し修士論文をまとめ、特に日本のアート市場における消費者行動に関心を寄せている。

 広さ約25平方メートル。名称は部屋番号「501」を取り、和佐野さんが写真好きなことから、写真家・森山大道さんが1987(昭和62)年に渋谷・宮益坂に開設した「room・801」へのオマージュの意味も込めたという。アートについて紹介する場ながら、「ギャラリー」とはあえて打ち出さず「プロジェクト」を名乗る。

 「ギャラリーは、回廊を意味する『galleria』(イタリア語)を語源とするものであり、アートを見せる場という意味合いが強い。プロジェクトとは、自分と周りの人々とで協同作業で何かを成し遂げるイメージ」と和佐野さんは話す。

 「現代を共に生きる、アートの作り手としてのアーティスト、アートの受け手としての鑑賞者・コレクター、さらにはギャラリスト、批評家、美術館に関わる方々などと一緒に、さまざまな人々を巻き込みながら、日本のアートマーケットに新しい仕組みをつくっていきたい」とも。

 アートのある人生を「LOVE ART」と表し、初回は「file1:Nayo」と題して、アートに特化したクラウドファンディングサイト「マイクロメセナ」を手掛ける東出菜代さんのコレクションを取り上げる。インタビュー映像では、コレクターが作品を購入した経緯やライフヒストリーについて話す。展示作家は、因幡都頼さん、川久保ジョイさん、潘逸舟さんら。

 会場ではコレクターが次に購入したいと思っているアーティストの作品も展示し、来場者も購入できるようにする。

 開催時間は、月曜・金曜=15時~19時30分、土曜・日曜=13時~19時。入場無料。8月5日(18時~)、同24日(20時~)には、アーティストとコレクターによるトークイベントも開催する(要1ドリンクオーダー)。

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