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渋谷にデジタルファブリケーション工房「コーファクトリー」-3Dプリンターなど設置

co-lab渋谷アトリエに併設するコ-ファクトリーの外観

co-lab渋谷アトリエに併設するコ-ファクトリーの外観

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 3Dプリンターなどのデジタル工作機械を備えたデジタルファブリケーション工房「co-factory(コーファクトリー)」が9月1日、クリエーター専門のシェアオフィス「co-lab(コーラボ)渋谷アトリエ」(渋谷区宇田川)に併設するスペースで本格的に営業を始めた。運営はフリートランスレーション、FabLab Shibuya(ファブラボ・シブヤ)。

最新レーザーカッターが新しく設置されたコーファクトリー

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 2002年に米マサチューセッツ工科大学で生まれた「FabLab(ファブラボ)」は、3Dプリンターやカッティングマシンなど多様な工作機械を備えた、新しいものづくりのワークショップのネットワークとして世界中で拡大。同スペースは昨年11月より、FabLab Japan(ファブラボ・ジャパン)のネットワーク組織に属する国内3番目の拠点「ファブラボ・シブヤ」として活動を開始。今年1月から、ものづくりに精通したメンバーが中心となり、クリエーターからの注文・相談を受ける「コーファクトリー」もプレオープンしていた。

 広さは約30平方メートル。最新のレーザーカッターや3Dプリンター、デジタルミシンなどを新たに導入し、さまざまなニーズに応える。「第3の産業革命」と言われる「メーカームーブメント」が広がりを見せる中、約8カ月間のテスト運用期間を経て今回、デジタルファブリケーションやビジネスへの可能性を具現化する場として本格稼働に至ったという。

 工房ファシリテーターを務める山元史朗さんは「現在、急速に3Dプリンターが広がっているが、ここではプリントサービス、出力屋さんを目指しているわけではない。高いスキルと経験を持つエンジニアがサポートし、『こういうものを作りたい』というクリエーターの相談に乗ったり、アイデアを膨らませたりして試行錯誤できる場を目指していきたい」と話す。

 利用料金は、アクリルや木材、紙などの素材をレーザーカッターで切断する場合、加工サイズ810×450ミリで1,000円前後(オペレーション費用など含む)。3DプリンンターでABS樹脂を射出積層しながら立体造形する場合、10グラム当たり1,000円(材料費込み)。画像データを自動で刺しゅうするデジタルミシンは、材料持ち込みで100×100ミリ当たり2,000円など。営業時間は平日10~18時。注文・相談はメールや電話のほか、同工房でも直接受け付けている。

 今月25日、co-lab渋谷アトリエと同じ系列のシェアオフィス「co-lab 西麻布」(港区)のコミュニティースペースに、最新の加工技術を踏まえた「素材+活用」の新たな視点を展示・研究するスペース「マテリアル・ガーデン」もオープンする。

 co-labを経営する春蒔プロジェクトの田中陽明社長は「例えば、レーザーカッターといっても、素材のことが分かっていないと新しいものは作れない。国内でも海外でも『素材+加工』をセットで考えているところはなく、突き詰めていけば、日本独自のものづくりを世界に打ち出していくことができると思う。西麻布は『素材』、渋谷は『加工』として連携していきたい」と同時期オープンの経緯を明かす。

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