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代々木上原に和菓子「オオノ餅店」 フルーツ大福「弁才天」創業者が新事業

オープン初日、店の前で笑顔を見せる大野淳平さん

オープン初日、店の前で笑顔を見せる大野淳平さん

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 フルーツ大福店「弁才天」創業者の大野淳平さんが新たに仕かける和菓子店「オオノ餅店」(渋谷区上原3)が3月15日、代々木上原にオープンした。

看板メニューの「鬼まんじゅう」

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 餅切り糸で半分に割った断面「萌え断」も含め、フルーツ大福ブームの火付け役となった人気チェーンを手放し、大野さんが自身の名前を冠して立ち上げた新店。「この1年はふわふわしていた」という中、36歳を迎え、「弁才天で道半ばだったヨーロッパ進出をやらなければと思った。40歳までにヨーロッパに移住して、向こうで和菓子屋を開きたい」と話す目標への布石にもなるのが、この店だ。

 店は、代々木上原駅周辺の繁華街からはやや外れた通りに面し、約3坪というコンパクトな造り。「こだわり抜いた」という店舗デザインは、「おばあちゃんの家」「町工場の裏側」などにインスピレーションを得て、「10円玉のような」色の銅の扉が客を出迎える。扉には、金の文字で、印刷ではなく筆で書かれた「オオノ餅店」の文字。床・壁・天井は全て白のタイル張りで、タイルの目地もミリ単位でそろえたことで、「日本のきちょうめんさや繊細さを出した」と言う。シンクや蛇口もブロンズで統一した。

 販売するのは、餅や団子など「普通の和菓子屋にあるような」ラインアップで、「友達や家族など本当に食べてもらいたい人に食べてもらえるような、普通においしいもの」(大野さん)を意識したという。その中でも、名古屋出身の大野さんにとって思い入れのある商品が、看板メニューとして売り出す「鬼まんじゅう」(250円)。

 愛知県の郷土料理として知られる鬼まんじゅうは、サツマイモの蒸しまんじゅうで、「東京ではあまり知られていない。食べたいなと思っていても食べられるところがなかった」と大野さん。「地元では愛されていて、むっちりとしていたり、べっちゃりしていたりするのもあり、それはそれで良い。東京で『鬼まん』が食べられるのはキャッチーなところ」と話す。

 年齢を重ね「ちょっと健康に気遣ったり、子どもにおいしいおやつとして出したりできたら、と思うようになった」ことから、団子は玄米100%の「玄米だんご」(230円)をそろえるほか、梅の型でかたどって分けやすいようにして売る赤飯(180円)も、着色料・保存料は使わない。そのほか、「のし餅」(230円)などもそろえ、今後は夏のわらび餅など季節物や、オーダーを受けて作る商品、餅つきなどのイベント参加などの展開も見据える。

 「弁才天ではパリで物件まで押さえていたのに、出店が流れてしまったという悔しい思いもある。新しい仲間との出会いもあると思うので、その『精鋭たち』でヨーロッパに乗り込もうと思っている」と世界を見据える一方で、「ブームが去って消費されてしまうようなものではなく、次はもう少し等身大でやっていきたい」と思いを明かす。

 営業時間は9時~17時。月曜定休。

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