映画祭「TBSドキュメンタリー映画祭2024」が3月15日から、渋谷・明治通りの商業施設「cocoti SHIBUYA」（渋谷区渋谷1）7階・8階の映画館「ヒューマントラストシネマ渋谷」で開催される。

医師の視点で手術の様子を見つめる「人体の構造について（原題）」より

　2021年に始まった同祭は、TBSテレビや系列の各局が取材・記録した出来事を映画化したドキュメンタリーを上映。同祭をきっかけに、ドキュメンタリー映画を展開するブランド「TBS DOCS」を立ち上げ、発信を続けている。

　今回は、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻くテーマを考える「今だから見るべき」作品を選んだ「ソーシャル・セクション」、家族のかたちや身体的な障がいなど「多様な生き方や新たな価値観を見い出せる」作品として選んだ「ライフ・セレクション」、五感など「感覚を司る」表現者やテーマの作品を選んだ「カルチャー・セレクション」の3テーマで作品を選んだ。

　上映するのは12作品。「ソーシャル・セレクション」＝アメリカ同時多発テロ事件やイラク戦争、東日本大震災時など、昨年逝去した音楽家の故・坂本龍一さんの2000年代に密着した「坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち」（金富隆監督）、「ライフ・セレクション」＝特別養子縁組で長女を迎えた元アナウンサーで現在「TBS NEWSDIG」編集長の久保田智子さんの家族の記録「私の家族」（久保田智子監督）、「カルチャー・セレクション」＝料理研究家・土井善晴さんを追ったドキュメンタリー番組「情熱大陸」を映画化した「映画 情熱大陸 土井善晴」（沖倫太朗監督）、メンバーがパーキンソン病で亡くなったことから最後のツアーを行った米ハードロックバンド「MR.BIG」の来日公演を追った「最後のMR.BIG～日本への愛と伝承～」（川西全監督）など。

　海外からの招待作品として、仏パリ北部近郊の病院の手術室に密着し、脳や大腸、眼球、男性器などの外科手術や帝王切開の模様を医師の視点で見つめる「人体の構造について（原題）」（ルーシァン・キャステーヌ＝テイラー監督＆ヴェレナ・パラヴェル監督）、監督の妻で歴史家のビアンカ・スティグターさんの書籍「Atlas of an Occupied City （Amsterdam 1940-1945）」に基づきインディペンデントスタジオ「A24」が製作した、オランダ・アムステルダムのナチス占領下の記憶と新型コロナウイルスによる緊急事態下の風景を重ねた4時間を超える「オキュパイド・シティ（原題）」（スティーヴ・マックイーン監督）もラインアップする。

　会期中には、監督や出演者、同祭アンバサダーのLiLiCoさんらゲストを招いた舞台あいさつも予定している。

　鑑賞料は、一般＝1,600円、大学・専門学生・シニア＝1,200円ほか。今月28日まで。渋谷を皮切りに大阪や愛知などでも上映する。