西武渋谷店で「大ラジカセ展」 収集家・松崎順一さんのコレクションから120台超

ラジカセには「造形美やデザインの多様性がある」と話す松崎順一さん

ラジカセには「造形美やデザインの多様性がある」と話す松崎順一さん

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 西武渋谷店(渋谷区宇田川町)A館・7階特設会場で8月2日、「大ラジカセ展 ~shibuya extra『since1968』~」が始まった。

100台を超えるラジカセをカテゴリー別に展示する

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 同店が開業した1968(昭和43)年に初の国産モデルが発売され、昨今、ミュージシャンがカセットテープで新曲を発表するなど再び注目を集めている「ラジカセ」に焦点を当てた同展。家電収集家の松崎順一さんが監修し、ラジカセやカセットの展示、ラジカセの普及とともに発展したカルチャー、体験コーナーなど多角的にラジカセを紹介する。

  5年ほど前から企画を温めていたとう同展は、昨年のゴールデンウイークに大阪で、12月に池袋で開催。20~30代の若者に「魅力を伝えたい」という思いや、ラジカセを「家電を超えたカルチャー」と捉えて発信する意味を込めて、かねて渋谷での開催を熱望していたという。今回は過去2回から展示する内容などを増やしている。

 メインの展示となるラジカセは、約5000台ある松崎さんのコレクションの中から120~30台を用意。スタンダードなデザインから女性受けを狙った「コンパクトでカジュアル」なもの、CDを搭載した「バブルラジカセ(通称・バブカセ)」、レコードやテレビ、キーボードなども付けた「多機能系」、ポップなカラーリングやコンパクトな形が特徴の「カワイイ」などのカテゴリー別に並べる。各メーカーのパンフレットや富士フイルムのカセットテープのノベルティーになったYMO(イエロー・マジク・オーケストラ)のカセット付きマガジン「テクノポリス」、1980年代に刊行されていたカセット付きマガジン「TRA(トラ)」なども並ぶ。

 カセット展示コーナーには、クリエーターらのカセットコレクションやアートを並べる。安西肇さんがバラエティー番組「タモリ倶楽部」内のコーナー「空耳アワー」の空耳に聞こえる音源をまとめたカセット、伊藤桂司さんと小町渉さんがコラボレーションして制作したカセット、水道橋博士さんが学生時代に使っていたラジカセ、みうらじゅんさんが「カセット愛」を語る映像、峯田和伸さん(銀杏BOYZ)の映画サントラカセットなど。

 ラジオのエリアでは、FMやAM局のジングルや番組を試聴できるコーナーや、ラジオの収録スタジオを模したフォトスポットなどを用意。カセットに収録された音源を聴くこともできる。

 学生時代にラジカセを使っていたという松崎さんは、インテリアデザイナーとして活動していた2003年当時、リサイクルショップで見つけたラジカセを懐かしさから購入したことをきっかけに、見つけては購入していたところ「(ラジカセに)ハマってしまい」、勤めていた会社を辞め本格的に収集を始めたという。その魅力を「ラジオとカセットが付いていればあとは自由なところがあり、やりすぎたものも含めて年代やデザイナーによって全く違った造形美や多様性があった。そこがほかの家電にはないのでは」と話す。

 国産ラジカセ誕生から50年の節目となる今年。ラジカセの復権に向け「命を懸けている」という松崎さんは9月~10月ごろ、オリジナルのラジカセ「MY WAY」を発売する予定。「ノスタルジーというより今の生活に落とし込んで、シーンに合わせて使ってもらえれば。自分を表現するファッションツールの一つとして選択肢に入れほしい」と意気込む。

 開催時間は10時~21時(日曜・祝日は20時まで、最終日は17時まで)。入場料は一般・大学生500円ほか。今月14日まで。

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