神宮外苑に「日本文化芸術研究センター」-京都造形大と東北芸工大が新教育拠点

「テープ結び」を行う(左から)千住博京都造形芸術大学学長、門川大作京都市長、千宗室日本文化芸術研究センター長、徳山詳直理事長、市川昭男山形市長、松本哲男東北芸術工科大学学長

「テープ結び」を行う(左から)千住博京都造形芸術大学学長、門川大作京都市長、千宗室日本文化芸術研究センター長、徳山詳直理事長、市川昭男山形市長、松本哲男東北芸術工科大学学長

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 京都造形芸術大学(京都市左京区)と東北芸術工科大学(山形県山形市)は7月2日、明治神宮外苑に新設した芸術教育拠点「日本文化芸術研究センター 外苑キャンパス」(港区北青山1)のオープン記念式典を同キャンパス内で行った。

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 同キャンパスは姉妹校である両大学が、「東京から世界に向けて日本の芸術文化を発信していく」ことを目的にしたもの。「世界に向けて『藝術立国』を発信する」をコンセプトに、年間100講座以上を展開する予定で、「社会を変えていくインパクトを与えられる人材の育成」を目指す。センター長には茶道裏千家の家元・千宗室さんが就任した。

 記念式典には、両大学の徳山詳直理事長や千センター長、京都造形芸術大学の千住博学長、東北芸術工科大学の松本哲男学長、門川大作京都市長、市川昭男山形市長らが出席。

 千センター長は「両校が掲げる理念『藝術立国日本』の実現のために、目標であった京都・東北・東京の3地域の特色を融合するためにこのセンターは設立された」とし、「日本文化芸術研究センターは、研究者や演出家、社会人、学生などさまざまな人の立場や世代を超えた人に集まっていただき、日本の伝統から現代、そして未来を見据えていく。このセンターを拠点とし、名門大学院や芸術国際連携活動などを展開し、理念の実現に向け大きな成果が期待される」と開校宣言。

 その後、「山形と京都を結ぶ」という意味を込め、あわじ結びをあしらった「テープ結び」のセレモニーのほか、書道家の横山豊蘭さん、和太鼓チーム・悳炎(しえん)のコラボレーションパフォーマンスが披露された。

 同キャンパスの敷地面積は4,102平方メートル。鉄骨造り2階建てから成るキャンパスの延べ床面積は3,124平方メートルで。ブロックを積み重ねた外観に仕上げたほか、天井高は芸術作品の制作や展示活動にも対応できるよう4メートルに及ぶ。キャンパス内にはコンピュータールームを含め17教室を用意する。

 プログラムは、15歳以上であれば誰でも受講できる「東京芸術学舎」(TEL 0120-530-920)、20代以上が受講可能で専門職業の人向けの「東京企画構想塾(仮称)」(東北芸術工科大学東京事務所TEL 03-5412-6111)、3歳~小学生前までの子どもと母親を対象にした「こども芸術大学」(来季以降開校予定)の3つを用意。アートディレクター・榎本了壱さんや小説家・辻仁成さん、放送作家・小山薫堂さんなど両大学の教授たちを講師に迎える。

 「東京芸術学舎」では、4つの学科を用意。現代美術家で東北芸術工科大学副学長を務める宮島達男さんが学科長を務める「美術学科」、榎本さんが学科長を務める「デザイン学科」、元NHKエグゼクティブアナウンサーで京都造形芸術大学教授の松平定知さんが学科長を務める「文化・伝統学科」、音楽プロデューサーでモータージャーナリストの松任谷正隆さんが学科長を務める「ライフスタイル学科」。

 「東京企画構想塾(仮称)」では、実習講義の「実践ワークショップ方講座」、合同講義の「座学型企画講座」の2講座を用意。クリエーティブディレクターの伊藤直樹さんやアートディレクターの高松聡さんらが講師を務め、若手クリエーターや企業人、公務員など「プロを目指す社会人」を対象とした講座を展開する。

 ほかにも、これまで「東京サテライトキャンパス」(中央区)を活用して行っていた京都造形芸術大学芸術学部通信教育部のスクーリング、国際的なアート交流やアートイベント、展覧会なども展開。2010年度は9月と3月に展覧会を予定する。

 開校は10月。2011年度には年間188講座を、2012年度には年間250講座を展開予定。2012年度までに延べ受講者数7,500人を見込む。7 月4日にはオープニングイベント「七夕アート祭」を開催するほか、同13日~8月4日はオープンカレッジも開く。いずれも事前申し込み制。

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