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東京五輪・パラ関連木材使ったベンチ、渋谷区内に設置 秋田・大館から寄贈

寄贈されたベンチに腰をかける(左から)長谷部健渋谷区長と福原淳嗣大舘市長

寄贈されたベンチに腰をかける(左から)長谷部健渋谷区長と福原淳嗣大舘市長

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 2020年の東京オリンピック・パラリンピック(五輪・パラ)競技大会に関連した木材を使ったベンチが1月19日、秋田・大館市から渋谷区に寄贈された。

渋谷区役所15階「ボッチャコート」エリアに設置されたベンチ

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 同大会では、環境に配慮した持続可能な大会の実現に向けて63自治体が提供した国産木材を使って「選手村ビレッジプラザ」を建築。その木材をレガシーとして各地で活用する取り組み「日本の木材活用リレー ~みんなで作る選手村ビレッジプラザ~」に大館市が参加。同市は市産の秋田杉24リューベを提供していた。忠犬ハチ公像のモデルとなった秋田犬・ハチの生まれ故郷が大館市であることから、渋谷区と大館市は防災時における協定を結ぶなど都市間交流を行ってきた。

 天井や梁(はり)、床に使われた木材は同施設の解体後、市に返還された。その後同市は、同木材の半分を使って子どもの遊具を製作し、市内の施設に設置。都市部における木材利用の推進を図っていることから、もう半分の活用法として、かねて交流・連携している渋谷区に木製製品の寄贈を提案したという。

 秋田杉は「香りと柔らかさが特徴」(福原淳嗣大舘市長)であることや、「憩いの場面で使ってほしい」(同)ことなどから、ベンチを企画。木材の販売や加工などを手がける長谷川萬治商店(江東区)が、接着剤や釘を使わずに木ダボ(接合に使う部材)で製材をつなぎ合わせて作ることから環境にも配慮された木質素材「DLT(Dowel Laminated Timber)」で作った。脚の部分には、東京五輪・パラで活用されたことを示す焼き印と、大舘市の焼き印を施している。公共で使われるベンチを参考に、サイズは横幅1200ミリ×奥行き400ミリ×高さ480ミリ。重さは1台約29.5キロ。

 福原市長は「建物の木造化・木質化は進んでいるが、都会・都市の木質化が課題になってくるなかで渋谷と大舘で一つのモデルが作れているのでは。これからも交流を深めていければ」と期待を込め、長谷部健渋谷区長は「意味と思いのあるベンチ。五輪・パラに関連したものであり、ハチが紡いでくれた縁でもある。技法も含めて区民に知ってもらうことで思い入れもできると思うので、しっかりと活用したい」と話した。

 設置するのは、渋谷区役所15階のボッチャコートエリア(10台)や、パラリンピックの採火式を行った「はぁとぴあ原宿」(5台)、ひがし健康プラザ(14台)、渋谷区スポーツセンター(12台)、本町学園温水プール(4台)など9施設に81台。渋谷区役所内を皮切りに、年度内をめどに順次設置していく。

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