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代々木公園でガーデンコンテスト 宿根草など使う持続可能な花壇

入賞者による花壇制作の様子

入賞者による花壇制作の様子

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 ガーデンコンテスト「東京パークガーデンアワード(TPGA)」が12月16日、都立代々木公園・オリンピック記念宿舎前広場(渋谷区代々木神園町)で始まった。

入賞者の花壇が並ぶエリア

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 公益財団法人東京都公園協会が、3月から浮間公園を皮切りに展開している「花と光のムーブメントプロジェクト」の一環として初開催する同コンテスト。同プロジェクトは、「花」と「光」で都立公園の魅力向上を図る取り組みで、同コンテストは「花」の取り組みになる。

 コンテストは、知名度や情報発信力の高さから代々木公園で開催。参加者は公募し52件集まった中から選ばれた5組と、ガーデンデザイナー吉谷桂子さんが花壇を造っている。コンテスト会場は、それまで自然と草が生い茂っていた場所を活用し、参加者にはそれぞれ約72~85平方メートルのスペースを提供している。

 作品は、「持続可能なロングライフ・ローメンテナンスなガーデン」がテーマ。地球温暖化で暑い夏に耐え得る花壇や植物を考慮するほか、継続的に材料費がかかることや、公園の花壇は主にボランティアが手入れをしているなか人手不足などもあることから、「丈夫で長生な」宿根草や球根植物を中心とした花壇の制作に取り組んだ。

 宮城の宿根草苗の生産者・鈴木学さんの作品は、宿根草約100種類と球根草花約50種類を何層ものレイヤーに配置することで季節ごとの変化を感じられるようにする「Layered Beauty」。シードヘッド(花が終わった後の実や種のさやなど)の「美しい」植物、秋に開花する植物も取り入れることで、秋以降の美しさにもこだわったという。生産者として、花期の長い品種や高温多湿に強い品種、日本の植物など、「これからの宿根草ガーデンのための提案」を詰め込んだ。

 西武造園の「TOKYO NEO TROPIC」は、亜熱帯の植物のエッセンスを取り入れてデザイン。昆虫のすみかとなり、土に返る自然素材の花壇や、堆肥場・バイオネストなど、ガーデン内で発生した枝なども再利用する。平間淳子さんは、ボール状の花が「ユニークかつアート的」で原宿に集まる人たちの「アンテナに触れるのでは」と選んだ初夏に開花するアリウムや秋に見頃を迎えるのダリアを中心に、「見て楽しい」植物で構成した「HARAJUKU 球ガーデン」を制作している。今月5日~9日に植栽を行ったが、苗の仕入れ状況などもあることから来年2月~3月ごろに2回目の植栽を予定する。

 四季折々に見頃を迎える花壇となっていることから、来春に1回目、初夏に2回目、秋に最終となる3回目の審査を行い、10月に最終結果を発表する予定。

 公益財団法人東京都公園協会公益事業推進課の桃井好さんは「今はまだ植えたばかりだが、春を迎えて夏を超える力強さやしなやかさ、美しさを楽しんでほしい」と呼びかける。「代々木公園、都立公園を、花壇を中心に人が集うような場所に育てていきたい」と言い、花壇の見頃や表彰式などに合わせてマルシェのようなイベントや、寄せ植えのワークショップなど、街の人と楽しめるようなコミュニティーイベントの開催も見据えている。

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