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「文化屋雑貨店」閉店迫る-渋谷・裏原で40年、「今が逃げ時」

店舗外観

店舗外観

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 裏原エリアの老舗雑貨店「文化屋雑貨店 本店」(渋谷区神宮前3、TEL 03-3423-8978)が1月15日、閉店する。

店主の長谷川義太郎さん

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 同店のオープンは1974(昭和49)年。武蔵野美術大学商業デザイン科を卒業後、グラフィックデザイナーとして3年ほど働いた長谷川義太郎さんが28歳で開業した。「デパートに行っても『売れる物』ばかりで、自分のほしい物が無かった」と言い、同店の出店は「自然な流れだった」と長谷川さんは話す。

 当初は、当時「何も無かった」渋谷・ファイヤー通りに出店していたが、地上げにより移転を余儀なくされ、1989年に現在の場所に移った。いずれも「自分たちの考えをストレートに出せる」ことなどから、閑静な場所を選んだという。

 2階建ての店舗では、ヘアピンや指輪などのアクセサリー、陶器、ポスター、ポーチ、ボタン、ワッペン、造花など、ユニークなデザインのアイテムを安価で扱う。手作りの商品も多く、2階の奥には長谷川さんをはじめ、スタッフが商品を手作りするアトリエを設けている。来日の度に店を訪れるという英ファッションデザイナーのポール・スミスさんや「アンダーワールド」のカール・ハイドさんなど国内外の著名人にもファンが多い。

 これまで、「店舗で来店客を待つ」スタイルで営業していたが、ポール・スミスさんやD&DEPARTMENTとのコラボレーションなど、ここ2年ほどは「外に出る」活動もしてきた。さらに、創業40周年を記念した書籍の出版などもあり「今が逃げ時」と閉店を決めた。「世の中への影響力を考えてきた。やりたいことをやるのに店である必要が無くなった」(長谷川さん)

 昨年12月に閉店を知らせてからは、かねて利用していたという人たちも足を運んでいる。長谷川さんは「過去にはこだわらずスッと終わる。これからは自由だから、何ができるのかワクワクしている」と笑顔を見せる。

 営業時間は12時~19時。

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