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渋谷で覆面アーティスト・バンクシーさん初監督作-アート界の裏側に迫る

覆面アーティスト・バンクシーさんが監督した「EXIT THROUGH THE GIFT SHOP」より©2010 Paranoid Pictures Film Company All Rights Reserved.

覆面アーティスト・バンクシーさんが監督した「EXIT THROUGH THE GIFT SHOP」より©2010 Paranoid Pictures Film Company All Rights Reserved.

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 渋谷・スペイン坂上のミニシアター「シネマライズ」(渋谷区宇田川町、TEL 03-3464-0051)で7月16日から、英ストリートアーティストBANKSY(バンクシー)さんが監督したドキュメンタリー映画「EXIT THROUGH THE GIFT SHOP」が公開される。

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 バンクシーさんは英・ブリストル出身のストリートアーティストで、名前以外のプロフィールや姿を一切世間に明かしていない。主にステンシルを使った作品をゲリラ的に描くことで知られ、パリス・ヒルトンさんのデビューアルバムの偽物を勝手に店頭に陳列したり、「狩りに行く古代人」と題したショッピングカートを押す古代人が描かれた石を大英博物館に無許可で展示するなど、ゲリラ的なアートパフォーマンスで話題に。ほかにも、イスラエルとパレスチナを分離する壁に「平和の願いを込めた」作品を残すなど、政治色やメッセージ性の高い活動も展開。2009年にはブリストル市立美術館で公式な展覧会を開催し、延べ30万人が来場した。

 同作は、フランス人ビデオ制作者ティエリー・グエッタさんがバンクシーさんを偶然撮影できるようになったことから制作が始まった。制作過程でグエッタさんに才能がない事に気づいたバンクシーさんは撮影カメラを奪う。同時に知識も技術もないと考えたグエッタさんを「MR.BRAINWASH」というアーティストに仕立て、その活動をバンクシーさん自らが監督として記録していくという一風変わったドキュメンタリー。アート業界の裏側を皮肉るような展開が話題を呼び、第83回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にもノミネートされた。

 「最初は『クソのような作品をバカに売りつける方法』というタイトルにしたかったんだ」とコメントしているバンクシーさん。「世界中の子どもたちがスプレー缶を手にとって、次は自分の番だって思ってもらいたい。でも最終的には、この絵画はストリートアーティストたちにとって、水上スキーを楽しむ人々を脅かした『ジョーズ』のような存在になると思う」とし、「(この映画は)別に悪ふざけなんかじゃない。もっとも誠実な映画の一例だと思っている」とも。

 公開に先立ち15日にはライブストリーミングスタジオ「DOMMUNE」(東4)でイベントが開催される。第一部トークライブ(19時~23時30分)「UPLINK Presents バンクシー、お前は誰だ!?」には、アップリンク浅井隆社長が司会として参加。第二部(21時30分~24時)には、DJストリーミング番組「UPLINK presents BROADJ♯363 "EXIT THROUGH THE SHOP"」を展開する。イベントの様子はユーストリームでの番組視聴も可能。

 公開初日、同館来場者には映画のポスター(非売品)を進呈するほか、アップリンク・ファクトリー(宇田川町)では、顔出しやインタビューなど露出が少ないグラフィティーライターQPさん初のトークショー「!QPがこんにちわ!」を公開記念として開催。開催時間は22時~23時30分。定員は70人(20時45分から受付開始)。入場料は1,000円(映画の半券持参客は500円、いずれもワンドリンク付き)。

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