15分~25分の短編映画を上映する「20分シネマ」が7月24日、渋谷・明治通り沿いの「cocti SHIBUYA」(渋谷区渋谷1)7階・8階の映画館「ヒューマントラストシネマ渋谷」で始まった。主催は、ショート映画配信サービス「SAMANSA(サマンサ)」を運営するSAMANSA(渋谷2)。
サマンサでは30分以下のショート映画をアプリやウェブで配信しているが、劇場の大画面と音響で鑑賞する体験は「格別だと強く感じていた」という同社。ショート映画は劇場で上映機会が少なく、「短編=低クオリティー」と考えている人もいることから、劇場で見てもらうことで「クオリティーの高さを体感してほしい」と考えた。
1月にヒューマントラストシネマ渋谷で上映企画を実施。「予想以上」の来場があり、「もっと上映機会を増やしてほしい」という声もあったことから「映画館にもっと気軽に行ける文化」をつくること、ショート映画を劇場で見るスタイルを根付かせることを目指す。渋谷は同社がオフィスを構えていることや、「常に新しいトレンドやカルチャーが生まれる」文化発祥の地であることなどから上映場所に決めた。
12月までの6カ月間、毎月1作品を1週間限定で上映。作品は、SAMANSAでは配信していない海外作品を中心に、ジャンルや国籍を問わず鑑賞後に「人生や価値観に一石を投じるような」作品をセレクト。第1弾となる7月は、ニュージーランドの映像産業を対象にした「ニュージーランド・スクリーン・アワード」で昨年、最優秀短編映画賞を受賞した「あいつのロシェル」を上映。青年が亡き友人の「ボロボロ」な車「ロシェル」で地元の「ボロ車レース」に挑む物語。上映は今月30日まで。
8月に上映する「島」(同21日~27日)は、現代のシンガポールの市立小学校が舞台。教師が「正義感から」放った言葉が小学6年生の少年を追い詰めていく内容。学生作品を表彰する「USCファースト・ルック・アワード」で最優秀監督賞などを受賞している。
「ノクターン・イン・ブラック」(9月18日~同24日)は、内戦下で音楽を奏でることが禁止されたシリアでピアノを弾き続けた実在の青年をモデルにした作品。学生アカデミー賞の金メダルを受賞したほか、英国アカデミー賞などの学生映画賞にも輝いている。「リアリティ・プラス」(10月23日~同29日)は、カンヌ国際映画脚本賞を受賞したホラー「サブスタンス」の前身作。デジタル技術で理想通りの容姿に変貌する脳内チップを埋め込んだ男女の恋の行方を描いた。
「パリ 1970年」(11月20日~同26日)は、アルツハイマー病の母親を支える息子がついた「優しいうそ」を描いたヒューマンドラマ。スペイン国内で140以上の賞を獲得している。アカデミー賞短編実写映画賞を受賞した「合唱」(12月18日~同24日)は、1990年代のハンガリー・ブダペストを舞台に、合唱団の「秘密」を暴いていく実話を基にした物語。
多様な人が来街する渋谷で、出勤前や仕事帰り、買い物や食事の合間など、それぞれのライフスタイルの中での隙間時間を想定。シニア層など、お手洗いや体調面などの理由で「映画館から足が遠のいていた」人たちにもアプローチを図る。
鑑賞料は1,000円。