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サンロッカーズ渋谷、秋田に競り勝つ チャンピオンシップ出場に向けた「ビッグゲーム」

終始ゴール下で激しい争いを見せたチャールズ・ジャクソン選手(中央)ら

終始ゴール下で激しい争いを見せたチャールズ・ジャクソン選手(中央)ら

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 Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が3月28日、秋田ノーザンハピネッツ(同、秋田)と戦い89-88で競り勝った。

試合開始直前にコート内で円陣を組み心を一つにした

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 試合開始直前、コート内で選手やコーチら全員で円陣を組むいつもとは違う光景が見られたこの日。同地区に属しチャンピオンシップ出場を争うの直接対決となったことから「ビッグゲームと位置付けていたので、1勝するとライバルを後退させられるので目標を達成しようと改めて言った」(伊佐勉ヘッドコーチ(HC))という。

 試合立ち上がりは秋田のゾーンディフェンスに後手を取ったが、インサイドの守りを固めていた秋田に対し「(ディフェンスを外に)引き出す意味で」、広瀬健太選手が積極的に3ポイント(P)シュートを放つ。それに続くかのように石井講祐選手、盛實海翔(もりざね・かいと)選手らも躊躇(ちゅうちょ)することなくワイドオープンの3Pを打っていたが、伊佐HCは「オフェンスが重たくなるから空いたら打てと伝えた。良いシュートだった」と評価。第2クオーター(Q)は逆にインサイドへのアタックやオフェンスリバウンドなどインサイドで得点を重ね一時7点のリードを奪うが、終盤に「安易なミス」(伊佐HC)から連続で失点し47-44で前半を折り返す。

 第3Q序盤は、チャールズ・ジャクソン選手が先頭を切って走りゴール下でボールを要求する姿を見せるもボールが渡らない。伊佐HCは日本人選手を交代し、そこのケアを指示するとともに、ジャクソン選手には「見えているから走り続けてくれと伝えた」。同Q終盤から最終Qにはインサイドでの得点やオフェンスリバウンドからの得点が増えたが、終始インサイドでの攻防が激しかったこの日。ジャクソン選手は「体を強く張ってアタックすること、ファウルトラブルを誘うところを意識しただ一生懸命やるだけだった。自分だけでなくチーム全体でたくさんアタックすることができた」と振り返る。オフェンスリバウンドは「自然と出てくるプレー」としながら、「ディフェンスリバウンドはもう2・3本取れればもっとチームを助けられた」と話した。

 拮抗(きっこう)した展開のまま迎えた終盤。残り約1分30秒、ライアン・ケリー選手が得たフリースローを珍しく2本とも外したが、「ボックスアウトされなかったのでいけるんじゃないかと反応できた。いつも狙っていたプレー」と、広瀬選手がリングに弾かれたボールに触れマイボールにつなげ攻撃のチャンスをつくった。

 87-88で迎えた残り約15秒から最後の攻撃。伊佐HCが指示したした通りベンドラメ選手がリングへアタックし、秋田のファウルを誘発。得たフリースローを2本沈め89-88と逆転した。ここで試合は終わらず、残り11秒から秋田の攻撃。SR渋谷はマークマンをスイッチ(交換)するディフェンスで守ったが、「コミュニケーションミスで」(広瀬選手)秋田のハビエル・カーター選手にワイドオープンでボールが渡ってしまう。しかし、広瀬選手が「キャッチ&シュート(ボールを受けてすぐに打つシュート)は確率が高いからドリブルをさせよう」とすぐさま間合いを詰めた。目論見は当たり、ドリブルを付いてから打ったカーター選手のシュートはリングに嫌われ、試合終了のブザーが鳴り響いた。

 ジャクソン選手は「秋田は死に物狂いで戦ってきて、戦争のような激しさだったがチームで戦い抜けた」と、仲間たちとハイタッチを交わすなど喜びを前面に出した。一方で、ミスや速攻に走られる場面も散見した点は「修整しなくてはいけない」と反省点も。伊佐HCも勝利を喜びつつ、「ゲームプランが全くできていなかった」ことから、29日の2戦目は「勝敗に関係なくやるべきことを追求したい」と話す。勝利の要因については「内容が悪くて審判に目が行くことや、フラストレーションを溜めている感じもあったが、チームがバラバラにならなかったことが大きい」とも。

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