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「なんでも服にする」クリエーター塩川夏子さん、渋谷で初個展

「遊ぶ感覚でいろいろなものづくりをしていきたい」と話す塩川夏子さん

「遊ぶ感覚でいろいろなものづくりをしていきたい」と話す塩川夏子さん

 カプセルトイやキッチンペーパーなど、身近なもので洋服を作るクリエーター塩川夏子さん初の個展「なんでも服にしてみた展」が8月5日、渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)8階のギャラリー「8/CUBE」で始まった。
 「なんでも服にする人」として、2024年からSNSを中心に活動している塩川さん。子どもの頃からものづくりが好きで、中学生の頃に洋服に興味を持ったことから服飾の学校に通い、洋服作りを学んだ。卒業後は、当時アニメに熱中していたことからアパレルを強みとするアニメグッズのメーカーでデザイナーとして勤務。

キッチンペーパーのウエディングドレスなどが並ぶ場内

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 2020年、地下アイドルの活動をしていた友人の衣装を作ったことをきっかけに、かねて「好きだった」というアイドルの衣装デザイナーとして活動を始めた。転機が訪れたのは2023年。生地店で販売している鏡のパーツが目に留まり、「全身鏡のパーツの洋服だったら」と思いついた。そうして作った「ミラー衣装」を同年5月にSNSに投稿したところ反響があり、「次も作ってみたい」とさまざまな物から衣装を作り始めた。

 普段は、ユーチューブで制作の様子を生配信したりインスタグラムに作品を投稿したりしている。「画面越しでは生地の質感が伝わりにくい。いつか実物を見てもらいたい」と考えるようになる中で、約1年かけて個展の準備をした。

 会場には14点の衣装を展示。企業とコラボレーションした衣装や、伝わりやすい「キャッチ―な」作品を選んだ。トルソーに着せた衣装と、それぞれの衣装の元になった素材を並べて展示。来場者に「自由に感じてほしい」と、衣装の着用写真はあえて小さく紹介する。

 「カプセルトイ衣装」は、カプセルの素材から調べ、半分にカットして使うため、2つに分かれるカプセルを接着するのに試行錯誤。重みで形が崩れないよう、スカート部分のベースは網状のプラスチックを採用。カプセルを結束バンドで止めるなど、縫う以外の工程に2日ほどかけた。展示作品の中では最も制作時間が長く、1週間程度かかった。「畳めない」ことから搬入にも苦労した。

 最新作は、「キッチンペーパー衣装」。企業とコラボレーションし、メーカーからB品の提供を受けて3日程度で作った。キッチンペーパーの色が白いことからウエディングドレスに仕上げた。アニメやアイドルなど好きなキャラクターの缶バッジなどをバッグに大量に装飾する「痛バ(痛いバッグ)」を洋服にした「痛バ衣装」も展示。「推しのキャラや色で作りたい」などの感想にも期待を込める。

 缶バッジを作ったり、アイロンビーズを作ったり、カプセルを切ったり、鏡を割ったり、パーツを作るところから作業し、洋服として組み立てる。「LED衣装」は、LEDを洋服に付けるためにハンダゴテを購入し練習もした。布以外の素材が「どうしたら服になるんだろうと向き合うことが多い」と話す。

 作品は全て着ることができるように作っているのもこだわりの一つ。ミラー衣装のサイドは擦れると危ないため、鏡ではなく鏡のように見えるメタリックな生地を採用。カプセルトイ衣装は着脱のしやすさを重視し、背面の襟元からスカート先までチャックを付けた。キッチンペーパー衣装は体にフィットさせられるように上半身の背面部分には編み上げを施し、水分に弱いことから肌に触れる部分は裏地を付けている。

 会場には同展のために作った、来場者が洋服の上から試着できる衣装も用意。シルバーを基調にした布地に、好きな色に変えられる星型のLEDを装飾している。

 塩川さんは、「洋服作りを通して、コミュニケーションを取ることが好き。SNSの文字や数字では感情が分かりにくいところがあるので、足を運んでくれる行動や、言葉に温かみも感じられてすごくうれしい」と喜ぶ。「好奇心の赴くまま、作りたいときに作りたい服を作れる環境が一番いい。楽しめるように、遊ぶ感覚でいろいろなものづくりをしていきたい」と、生きがいを感じている。

 開催時間は11時~20時(最終日は19時まで)。入場無料。今月11日まで。

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