青山で奈良美智さん、瑛九さんの「24歳」展-「無名時代」の才能探る

奈良美智「SANCHAN WITH SHARK

奈良美智「SANCHAN WITH SHARK"IN THE ROOM"」© Yoshitomo NARA

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 現代美術家・奈良美智さんと、昭和前期の前衛美術家・瑛九(えいきゅう)さんの「無名時代」に着目した企画展「奈良美智24歳×瑛九24歳 画家の出発」が9月11日より、ギャラリー「ときの忘れもの」(港区南青山3、TEL 03-3470-2631)で開催される。

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 1959(昭和34)年青森県生まれの奈良さんと1911(明治44)年宮崎県生まれの瑛九さんは、それぞれ24歳を迎えた年に初個展を開催。同ギャラリーが偶然に2人の当時の出展作品を入手したことをきっかけに、「すでに24歳できらめいていた2人の才能の片りんを見てほしい」(同ギャラリーディレクターの綿貫不二夫さん)と企画した。

 瑛九さんは、カメラを用いない製法による写真「フォトグラム」の作品などで知られ、既成の画壇や公募団体への批判活動にも力を入れた前衛美術の先駆者の一人。同ギャラリーが「もともと30数年追いかけてきた専門分野」の作家で、同展では以前からのコレクションの一部を公開する。

 一方、にらみつけるような女の子をモチーフにしたドローイングなどで国際的に活躍する現代美術作家・奈良さんの初期作品は、つい最近入手したもの。経緯について、綿貫さんは「わたしどものお客さまが、奈良さんが高校生のころから目をかけており、初個展のときにも作品を買ってあげていた」と明かす。「その方が数年前お亡くなりになり、今回そのご遺族から譲っていただいた」という。

 約50年の歳月を隔て、「どんな偉大な作家にも無名時代があり、当時は注目されていなくても、時代を経てみるとやはりそれだけの力があったと実感した」と綿貫さん。展示は、奈良さんの油彩作品3点と、瑛九さんのフォトグラムを中心にした作品13点で構成。作品は販売も行う。

 開廊時間は12時~19時。入場無料。今月18日まで。

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