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サンロッカーズ渋谷、天皇杯連覇に向け初戦勝利も「悔しい試合」

先発出場し得意の3ポイントシュート2本を決めるなど11点マークした野口大介選手(左)

先発出場し得意の3ポイントシュート2本を決めるなど11点マークした野口大介選手(左)

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 プロバスケットボールチームのサンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が12月16日、日本一を決める「第96回天皇杯 全日本バスケットボール選手権大会」2次ラウンドに臨み、87-70で東京エクセレンス(同、東京EX)を下した。

豪快なアリウープダンクは2本見られた

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 SR渋谷が所属するプロバスケットボール「Bリーグ」をはじめ、大学や社会人チームなどがトーナメント形式で戦い日本一を決める天皇杯。昨年優勝したSR渋谷は連覇を懸けた戦いになっている。伊佐勉ヘッドコーチ(HC)は「リーグ戦の途中なので『連覇』という言葉は選手たちには言っていないが、すごく難しくてチャレンジしがいがある。一つ一つ試合をこなして、結果的にそうなれば良い」と意気込む。

 試合前には日本バスケットボール協会に天皇杯を返還し、キャプテンのベンドラメ礼生選手が「去年は皆さんの前で優勝できてすごくうれしかった。今季はどうなるかまだ分からないが、また皆さんの前で最高の姿が見せられたら」とファンにあいさつ。山内盛久選手は「あらためて去年優勝したんだなと感じた」と振り返りつつ、「(天皇杯を)取ってリーグ戦に弾みを付けたい。連覇できるように頑張っていきたい」と意欲を見せた。

 リーグ戦の途中ということもあり、エースの一人ライアン・ケリー選手はコンディション調整のため「どういう状況でも使わない」(伊佐HC)と決め臨んだこの日。その穴を埋める役割を担ったのは日本人ビッグマンの野口大介選手。トレーナーから「多めに動いておけと言われた」が、「いつものルーティーンを守るように」しつつしっかり汗をかいて先発出場に備えた。今季初の先発出場となり「体が温まった状態でコートに出て行けるのはありがたい。久々にそういう感覚を味わった」と振り返る。

 野口選手は、得意の3ポイント(P)シュートやゴール下へのダイブなどから11得点をマーク。第1クオーター(Q)にはスクリーンを使ったプレーから渡辺竜之佑選手のパスで3Pを沈めた。「竜からは絶対にパスが来るし、竜からのパスは高確率で決めているので、決めた後も『僕たちのパスラインやばいっすね』というようなこと話していた」と笑顔を見せた。同じポジションである外国籍選手の「手助けになること」を自身の役割とする野口選手。この日は25分強の出場となったが、「試合で得られるもの試合しか体感できないことも多いので、この年で使ってもらえるのはありがたい」と感謝の言葉を口にした。

 東京EXはB3リーグ所属で、普段のリーグ戦では対戦しない相手となる。ただ、「やることは変わらない」と選手たちには「最低限の情報だけ伝えて」(伊佐HC)備えた。試合はベンドラメ選手の3Pで先制するが、「天皇杯独特の雰囲気もあり、動きが堅く」(野口選手)立ち上がりは重い展開となる。それでも、石井講祐選手の3Pやジェームズ・マイケル・マカドゥ選手がアリウープなどで得点を重ねリードを奪った。マカドゥ選手にパスを出した山内選手は「セットプレーの中でマック(マカドゥ選手)が空いたので出した。個人的には悪いパスだったけれど無理矢理ダンクに行ってくれた」と振り返る。

 その山内選手は第2Q、「プレッシャーに対してルーズな所もあったのでプレッシャーを掛けることで他の4人に伝えたかった」と最初のプレーでボールを奪うプレーから得点を上げた。その姿に続くように石井選手や渡辺選手も積極的にボールに手を出し得点を重ねた。一時17点差を付けるが、インサイドにアタックされたりリバウンドから速攻を仕掛けられたり連続で得点を許し46-40で前半を折り返した。後半は10点前後のリードで進んだが、第3Q終盤には3点差まで詰め寄られた。「安易にスチール(ボールを奪うプレー)を狙いに行き、縦に抜かれていた」(伊佐HC)状況を見かね、最終Q約7分からSR渋谷はゾーンディフェンスを敷き東京EXの得点を抑え勝利した。

 試合後「勝って次のステージに進めたのは良かったが、ゾーンはやりたくなかった。僕としては悔しい試合」と話した伊佐HC。点差を詰められる状況に「もっと焦った方が良いんじゃないかと思った。言わなかったが、起きているのかな大丈夫かなとも思った」と厳しい言葉を口にした。リーグ戦から中2日での試合で「疲れはあると思う」としつつ、「(プロとして)これで飯を食っているので気のせいだと思う」と続けた。伊佐HCは元々プレータイムをシェアするスタイルだが、この日は「初めて交代パターンもメモして」全選手のプレータイムもコントロールした。ただ、「ぼーっとしている選手を出すわけにはいかないので、調子の良い選手は想定より長くなったのは誤算」とも。

 山内選手は「強引にインサイドを狙ったりミスマッチを狙い過ぎたり、普段やり慣れていない相手で安易に『(ボールを)取れる』とスチールを狙いに行ったりして逆に裏をかかれた。ハーフタイムに選手間で話したが、それは自分たちのスタイルじゃない。週末(のリーグ戦)まで引きずらないように練習から引き締め直したい」と話した。

 天皇杯3次ラウンドは来年1月13日、SR渋谷は同じ渋谷区をホームタウンとするアルバルク東京(A東京)との一戦となる。リーグ戦では今月12日・13日に対戦しているが、「(2戦目は)自分たちのディフェンスが攻略された感じがあるので、チームディフェンスを強固なものにしてリベンジしたい」(伊佐HC)と意欲を見せる。

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