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新生・渋谷ツタヤ、「体験価値」に注力 カフェ増設、一日3万人集客へ

新たなロゴなどを掲出する「SHIBUYA TSUTAYA」低層部の外観

新たなロゴなどを掲出する「SHIBUYA TSUTAYA」低層部の外観

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 渋谷駅前「SHIBUYA TSUTAYA(渋谷ツタヤ)」(渋谷区宇田川町)が4月25日、全館リニューアルオープンする。経営はカルチュア・コンビニエンス・クラブ(南平台町)。

スクランブル交差点を望む4階「シェアラウンジ」の窓際エリア

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 2000(平成12)年1月1日0時に、渋谷駅前(スクランブル)交差点の一角に開業した「Q FRONT」のメインテナントとして開業した同店。インターネットの勃興期であった当時は、渋谷のランドマークとしての位置づけや、比較的郊外に多かった「TSUTAYA」の象徴となることなどを目的に開業。

 当初は多くの物を多くの人に売る商物販とレンタルを中心としていたが、コンテンツに対する「好き」「推し」が多様化している現代において、「世界中でここにしかないモノ、できない体験を感じて手に取ってもらう」ことも含めた「リテール事業の未来」に挑戦するという。来館することが目的となるように「空間・体験価値」を意識し、販売スペースよりも「時間を過ごしてもらうこと」に注力したフロアづくりが特徴。世界的に見ても人や情報が集まる「有数のロケーション」である渋谷で、「日本を代表する場所」となる店を目指す。

 フロア構成は、地下2階~地上8階と屋上で全11フロア。売り場面積は4478平方メートル(屋上を除く)。「世界に発信するプロモーション」を視野に、1階と2階の渋谷駅前スクランブル交差点に面した壁面には高さ3.5メートル×幅6メートルのビジョンを新設し、渋谷駅を降り街に繰り出す人たちにアピールする。

 全館を通して「IP(知的財産)」をテーマに据え、Vチューバ―や、ターゲット層からIPと捉えられるファッションやコスメ、車など、広義的な「IP」を取り扱い、それぞれの「『好き』に出合える場」を展開する。

 BtoCのメインターゲットは、元々来館が多かったことや、多様化している中でも渋谷に来る数が多い20~30代の若年層と、2019年以降渋谷を訪れる数が増えているインバウンド客。同時に、それらの層にアピールを図りたいコンテンツホルダーや企業をBtoBのターゲットのターゲットに据える。改装前はピーク時で一日約2万人が来館していたというが、リニューアルを機に同約3万人の来館を予測する。

 滞在してもらうことを目指すとともに、同社が行った「駅周辺で不満・不便に感じること」というアンケートで圧倒的に多かった「カフェが混んでいる」「休憩場所が少ない」というニーズに応えるため、カフェやラウンジを増やした。2階の「スターバックス コーヒー」(100席)は同階全フロアに増床したほか、3階・4階にはシェアラウンジ「SHARE LOUNGE」(2フロア計252席)を、5階には「ポケモンカードゲーム」を体験できる公認ラウンジ「ポケモンカードラウンジ」(82席)、7階には「コラボレーションカフェ」(77席)を開設。シェアラウンジにはフィギュアを展示するほか、利用者が食べられるフードの中に初めて冷凍食品も用意。ポケモンカードラウンジはシェアラウンジとポケモンカードが融合した店舗にするなど、「渋谷ならでは」の要素を付加。リニューアル以前、2階「スターバックス コーヒー」店内から特にインバウンド客が渋谷駅前スクランブル交差点を眺めるために集まっていたことから、2階~4階の各フロアから同交差点を臨めるようにした。

 そのほか、アーティストやタレント、アイドルを中心にCDやDVDなどの音楽、映像作品の販売、4Kビジョンやパネルを活用した展示などを行う地下2階「エンタメワンダーランド」、美術展示用什器や可動式のLEDビジョン(高さ3メートル×幅5メートル、同3メートル×同4メートルほか)などを備えポップアップやイベントを展開する地下1階と地上1階「Shibuya IP Square A/B」、漫画・フィギュア・グッズを中心に扱い、作家らのトークショーなどの体験コンテンツを取り入れる書店「IP 書店」を展開。8階のスタジオと屋上のイベントスペースは今夏以降にオープンを予定する。

 営業時間は、地下2階=10時~22時、スターバックス=地上1階8時~22時30分、2階=7時~22時30分、3階・4階=8時~23時、5階=10時~22時30分、6階=9時=23時、地下1階・地上1階、7階=イベントに応じる。

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