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サンロッカーズ渋谷、劇的勝利で今季初白星 「最後まで全員が勝利を疑っていなかった」

ブザービーターを決めるなどチームを勝利に導いたライアン・ケリー選手(中央)

ブザービーターを決めるなどチームを勝利に導いたライアン・ケリー選手(中央)

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 Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が10月11日、千葉ジェッツ(以下、千葉)を87-86で下し、今季初勝利を収めた。会場は青山学院記念館(渋谷区渋谷4)、観客数は制限付きで1481人。

勝利の瞬間立ち上がって喜ぶ観客とライアン・ケリー選手に駆け寄る選手たち

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 残り3.2秒、1点ビハインドでSR渋谷はライアン・ケリー選手のロングレンジのジャンプショットで逆転勝利を収め、劇的勝利を飾った。その直前には千葉・富樫勇樹選手に3ポイント(P)シュートを決められていたが、ラストプレー前のタイムアウトで、前日ブザービーターで敗れていたことから「やり返すチャンス」(広瀬健太選手)と話すなど、「最後まで全員が勝利を疑っていなかった」(ケリー選手)という。

 伊佐勉ヘッドコーチ(HC)はベンドラメ礼生選手のアタックを第1候補に挙げていたが、身長のある千葉の佐藤卓磨選手がマッチアップしたことから2番目の選択肢としてケリー選手にボールをスローイン。ケリー選手は「フェイクを入れてファウルを誘うことなどは難しいと思っていたので、どういう動きをするか、どういうシュートを打つかをイメージして」コートに入った。千葉のセバスチャン・サイズ選手がコンテスト(シュートチェック)に来ていたが、「自信を持って打ち、いい軌道で打てたと感じた」という手応え通りシュートはネットを揺らした。

 サイズ選手は「礼生かライアンが打ってくると予想はしていた」と言い、「決まってしまったということは自分のディフェンス(DF)が十分でなかったような気もするが、こういうこともある」と冷静に受け止めた。千葉・大野篤史HCは「コンテストショットを打たせるようにということと、シュートが落ちた場合は取らずにチップしろと指示した。セバス(=サイズ選手)がいいコンテストしていたので、ケリー選手を褒めるしかない」とたたえた。

 試合終了のブザーが鳴り響くと観客はスタンディングオベーションで拍手を送り、選手たちはケリー選手に駆け寄り、ケリー選手をもみくちゃにして喜びを爆発させた。ケリー選手は「2年一緒にやっている選手が多く、信頼関係もある。あの瞬間はさらに団結を高める、楽しくうれしい瞬間だった」と笑顔を見せた。連敗はしていたが、「やっていることに自信はあった。チーム一丸となって戦うことを意識し、自分たちで勝利をもぎ取った」とも。

 試合は、「よりフィジカルゲームになる、昨日以上にやっていこう」(伊佐HC)と臨み、最初のプレーで千葉のミスを誘発。一時9点差を付ける好スタートを切る。第2クオーター(Q)は富樫選手のドライブ(ドリブルでリングにアタックするプレー)からの攻撃で連続得点を許し点差を付けられるが、チャールズ・ジャクソン選手が攻守にわたりリバウンドで体を張り、関野剛平選手が3Pを沈め食らいつく。第3Q、10点差を付けられたタイミングで伊佐HCは山内盛久選手を投入。ポイントガードを2人にし、「単純なプレーでもいいので全員が分かるように」と指示。ベンドラメ選手がセットプレーからの3Pやドライブで連続得点し、ラストにはケリー選手がブロックショット(シュートブロック)からダンクを決め63-65で最終Qに突入。立ち上がりにケリー選手の得点で同点に追いつくと1、2点を争う展開となった。

 今季初の勝利に「ほっとしている」と安堵(あんど)の表情を浮かべた伊佐HC。「勝てば自信につながるが、今日負けていたら(やっていることが合っているか)疑ってしまったかもしれない。そういった意味では勝てて良かった」と話す。

 広瀬選手は「今日負けていたら自信を無くす、自分たちを見失っていく可能性もあった。ミスしても前を向いてプレーをし続けたことが良かった。やってきたことは正しかったと再確認できた」と喜びを表現。昨シーズンからメンバーもコーチ陣もほぼ変わらないなか、「ある種の慣れが多分にあった。天皇杯の優勝も含め去年のことは一回忘れ、やるべきことをやらないと勝てないことを3連敗で気づかされた」と言い、今日に向け「改善できるところを話し、全員で共有した所がしっかり表現できた」と手応えをうかがわせる。前日シュートアテンプトが2本にとどまるなどしていた広瀬選手だったが、この日は持ち前のアグレッシブさを見せた。開幕戦で鼻を骨折し「1週間練習ができず、昨日はあんまりコンディションが良くなかった。その分しっかり自分らしいプレーができた」と話した。

 この日は、SR渋谷のマスコット「サンディー」の誕生日でもあった。「勝利をプレゼントできて良かった」と話したベンドラメ選手は「ホームゲームを盛り上げるのに欠かせない存在。おめでとう。今シーズンもよろしく」と祝福。ケリー選手は「Bリーグで一番お気に入りのマスコット。本当にサンディーが一番。おめでとう!」と言い、自身が誕生日の時にSNSで祝われていた広瀬選手は、それに返すかたちで「おめでとう。これからも頑張ってね。応援しているよ」と話す。石井講祐選手は「僕より年下だと思うので、これからも先輩としてかわいがっていきたい」とも。

 SR渋谷は次節、信州ブレイブウォリアーズとアウェーで戦う。

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