写真美術館で仏風刺画家「ジョルジュ・ビゴー」展-文明開化とらえる

ビゴーが海外へ向けて明治初期の日本を伝えた版画集「クロッキー・ジャポネ」 表紙(ジョルジュ・ビゴー、1886年)

ビゴーが海外へ向けて明治初期の日本を伝えた版画集「クロッキー・ジャポネ」 表紙(ジョルジュ・ビゴー、1886年)

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 明治日本の風刺画家ジョルジュ・ビゴーの生涯に迫る企画展「ジョルジュ・ビゴー展 碧眼の浮世絵師が斬る明治」が7月11日、東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス、TEL 03-3280-0099)で始まる。

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 1860年フランス生まれのビゴーは、パリ万博以降のジャポニズムの流行をきっかけに日本美術を知り、1882年に研究目的で来日したといわれる。明治初期、ビゴーが滞在した10数年に文明開化を迎えた日本では、西洋文化の影響を受けて制度や習慣が急激に変化。来日直後ビゴーは、銅版画集3部作「あさ」(1883年)、「おはよ」(1883年)、「また」(1884年)、政治風刺の雑誌「トバエ」の挿絵などを次々と発表。一連の作品群は、伝統文化を手放しひたすら欧米を追いかけた明治の日本人の変化を的確にとらえた作品として高く評価されている。

 同館では、「トバエ」に収録された挿絵で、歴史教科書で著名な「釣りの勝負」や、「あさ」「おはよ」「また」からの代表作など、ビゴーが在日期間中に残した主要な作品35点を展示。来日以前の水墨画や、帰仏後に描いた「典型的なアジア」をモチーフにした「芸者」や「混浴風呂」などの作品、パリから郊外へと移住後に制作したサロン未発表の油絵なども並べ、画家・ビゴーがたどった生涯を集約する。

 そのほか、120年前にビゴーが彫った貴重な銅板原版21点を展示し、ビゴーの来日前後に撮影された同館所蔵の写真を作品に添えるなど、多角的なアプローチでビゴーの魅力に迫る。

 今月17日には、日本女子大学教授で同展監修の及川茂さんがトークイベント(18時~20時、定員=事前応募者先着35人)を行うほか、7月 17日・31日、8月7日・21日の各日16時から担当学芸員によるフロアレクチャーも行う。

 会場は2階展示室。開館時間は10時~18時(木曜・金曜は20時まで、入館は閉館30分前まで)。月曜休館。入場料は、一般=500円、学生=400円ほか。8月23日まで。

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