見る・遊ぶ

東京都写真美術館などで「恵比寿映像祭」 25の国・地域から94組参加

タイの作家スッティラット・スパパリンヤさんの「東京の10カ所」

タイの作家スッティラット・スパパリンヤさんの「東京の10カ所」

  • 17

  •  

 東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)を中心に現在、「第10回恵比寿映像祭『インヴィジブル(見えないもの)』」が開催されている。主催は、東京都、同館・アーツカウンシル東京(東京都歴史文化財団)、日本経済新聞社。

ピアノと木琴によるオフサイト展示

[広告]

 同祭は2009年に始まったアートと映像のフェスティバル。同祭ディレクター田坂博子さんによると、10回目を迎える今年は、映像は「見えないものを浮かび上がらせる特性を持つ」ことから、「不可視性=インヴィジブル(見えないもの)」をテーマに、国内外の作品を通じて映像の見方の歴史を考察し、現代の『インヴィジブル』を読み解くことから未来の可能性を探っていくという。

 今回は25の国と地域から94組118人のアーティストが参加。95点(展示44点、上映45点、オフサイト作品1点、ライブ作品5点)の作品を紹介する。

 展示作品は、光の明滅(フリッカー現象)を使う米作家ポール・シャリッツのインスタレーション「シャッター・インターフェイス」、実在するコンセプチュアルアーティストたちのインタビューから他世代を批判するようなコメントを抜粋して書いた脚本を世代の異なる3人が演じる「ジェイ・チュン&キュウ・タケキ・マエダ」の作品、シリア北部で暮らしていた耳が聞こえず喋(しゃべ)れない少年がISISからトルコに逃れる際の体験を身ぶりで伝えようとする映像「ワンダーランド」(エルカン・オズケンさん)など。都内で「電気消費量が高い」10カ所の白黒映像の上に白い煙によって「(街が)消滅していく」イメージを重ねた「東京の10カ所」は、タイの作家スッティラット・スパパリンヤさんが東日本大震災直後に日本に滞在し制作した。

 上映プログラムでは、ロックバンド「サン・シティ・ガールズ」のメンバー、アラン・ビショップさんがエジプトの若者たちと始めたバンド「ザ・インヴィジブル・ハンズ」を追う「ザ・インヴィジブル・ハンズ」、1990年代の大学生たちの休暇を描く「実験」コメディー「エル・フォー・レジャー」、ミャンマーの「ワッタン映画祭」セレクションなどを展開。先天性全盲の加藤秀幸が監督するSFアクション短編映画「ゴースト・ヴィジョン(仮)」の製作過程を追うドキュメンタリーを同祭版に編集した「ナイトクルージング」は、ライブ音声解説付きで上映する。

 オフサイト展示として恵比寿ガーデンプレイス・センター広場では、「音」を軸にした作品を手掛けるクリエーティブチーム「インビジブル・デザインズ・ラボ」のサウンド・インスタレーション「予言」を展示。来街者が自由に弾けるピアノを入力装置に、音や声などに反応してピアノの周りを囲む出力装置となる木琴が音を奏でるようになっている。

 日仏会館(恵比寿3)では、姉弟アーティストユニット「SHIMURAbros」の作品を紹介。実験映画「アンダルシアの犬」(ルイス・ブニュエル監督)のシーンを3Dプリンターで印刷し物質化した「映画なしの映画」などが並ぶ。

 開催時間は10時~20時(最終日は18時まで)。入場無料(上映プログラムなど一部コンテンツは有料)。2月25日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース