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Bunkamuraで「俺たちの国芳 わたしの国貞」展 ボストン美術館所蔵350枚

会場入り口ではプロジェクションマッピングの技術を生かした演出も行っている

会場入り口ではプロジェクションマッピングの技術を生かした演出も行っている

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 渋谷「Bunkamuraザ・ミュージアム」(渋谷区道玄坂2、TEL 03-3477-9413)で現在、「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」が開催されている。

「ベロ藍」の濃淡と少しの紅などで表現された「藍ずり」の作品

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 ボストン美術館が所蔵する浮世絵作品の中から、幕末の絵師、歌川国芳(1791年~1861年)と歌川国貞(1786年~1864年)の作品を通じて、江戸の人々の暮らしなどを紹介する同展。国芳と国貞は歌川一門の兄弟弟子でありながら作風は対照的で、国芳は武者絵で、国貞は役者絵・美人画で、それぞれ名声を得た。

 1万4000枚を超える2人の浮世絵作品の中から選んだ350枚ほどを展示する同展。8つのテーマで構成する場内は、同一テーマで2人の作品を比較展示し、歌舞伎の演目をまねて付けた各テーマのタイトルには「現代的でポップな」ルビを付けている。

 展示テーマは、躍動感あるポーズなどの男の姿を描いた国芳の作品、役者が演じる好漢を描いた国貞の作品が並ぶ「髑髏彫物伊達男(スカル&タトゥー・クールガイ)」や、骸骨や巨大なコイ、化け猫、空想伝記の登場人物などを描いた「物怪退治英雄譚(モンスターハンター&ヒーロー)」、判じ絵や落書きのような俳優の顔などの作品群「痛快機知娯楽絵(ザッツ・エンターテインメント)」、女性を描いた作品群「今様江戸女子姿(エドガールズ・コレクション)」など。

 多様な作品が並ぶ中、他の作品とは異なる色彩表現をしているのが、吉原の遊女が道中を行く姿を描いた国貞の作品。西洋から輸入した科学顔料「ベロ藍(プルシャンブルー)」の濃淡と少しの紅などで表現された「藍ずり」と呼ばれている。

 エントランス空間の演出・制作は、クリエーティブカンパニーNAKED(元代々木町)が担当。プロジェクションマッピングの技術を生かした演出で、国芳の「国芳もやう正札附現金男 野晒悟助」と国貞の「当世三十弐相 よくうれ相」に描かれている猫と手紙が、崩れた壁から飛び出す映像に仕上がっている。

 同展を監修した東京国立博物館の研究員・松嶋雅人さんは「経済活動や品物の流通など時代背景が現代と近く、入り込みやすいのでは」という考えから幕末の絵師を選んだと言い、作品のセレクトポイントは「かっこよかったり面白かったり、見た目」と振り返る。「買い物をしたり映画を見たりする感覚で見てもらえたら。コーディネートや配色、小物の使い方など、参考になるところがあるのでは」と来場を呼び掛ける。

 開館時間は10時~19時(金曜・土曜は21時まで、入館は閉館の30分前まで)。当日の入館料は、当日一般=1,500円、大・高校生=1,000円ほか。6月5日まで。

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