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渋谷で宮本亜門さん・松堂今日太さん二人展-「ミエナイモノ」テーマに

「内なる意識を表現する」試みとしてアートユニット「KYOTA!&AMON」を組んだ演出家・宮本亜門さん(左)とガラス作家・松堂今日太さん(右)

「内なる意識を表現する」試みとしてアートユニット「KYOTA!&AMON」を組んだ演出家・宮本亜門さん(左)とガラス作家・松堂今日太さん(右)

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 渋谷・みやしたこうえん近くのギャラリースペース「SUNDAY ISSUE」(渋谷区渋谷1、TEL 03-3797-1288)で11月18日、演出家・宮本亜門さんとガラス作家・松堂今日太さんの二人展「Unseen」が始まった。

流木やガラスなどで「ミエナイモノ」を表現した作品が並ぶ

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 日頃異なる活動をしている2人は2008年の「ゴッドデザイン」展より、「内なる意識を表現する」試みとして、アートユニット「KYOTA!&AMON」を組み、作品を制作・展示してきた。2回目の展覧会となる今回は、2人の共通のキーワードである「ミエナイモノ」をテーマに据えた。

 宮本さんは沖縄で集めた流木や各地で集めた石など、「見えているようで見ていない」自然の造形物と塗装など科学を融合した作品を展示。沖縄の海岸で拾った流木の内側に赤色のガラス塗料を塗り「芯の強さ」「内側の熱いもの」を表現した作品や、石の一部を残し全体を銀色に塗装し、映像などで「石も呼吸をしている」ことを表現した作品、上流と下流のそれぞれで拾った石に白と黒の塗装をし「阿吽」を表現した作品など。

 松堂さんは、目に見えないものをガラスで可視化した作品を展示。2009年に撮影した自身のレントゲン写真と共に、パイレックスという耐熱ガラスを使い自身の心臓を表現した作品や、ウランガラスを使い放射能で壊れたDNAを表現し、合わせ鏡を使いどこを見てもその状態が続いている様子を表した作品、2004年に米軍のヘリコプターが国際大学に墜落した際の焼け焦げたままの木など、沖縄に住んでいる人にとって「日常にある風景」を撮影したモノクロの写真を、全体に傷をつけたガラス越しに見せた作品など。

 宮本さんは「流木一つも何十年というものもあるし、自分が若造に見えちゃうくらいすごい年月がかかっていることに興味があって、人間の技術も含めうまくぶつけられないかと思った」とし、「ただの木と石じゃないかと思う方もいると思うが、あえてそういう風にしている。震災もあって、地球という生きている所に生かさせてもらっていると思った時に、今までの作品の作り方を全部やめた。アートとは何かを考え、部屋に飾りたいものだけがアートではなく、自然の中にあるものをどう認識するかというのもあっていいのでは。ちょっとでも意識が変わってくれればうれしい」

 松堂さんは「震災後2カ月近く沖縄に帰っていた。自分は物を作ることで何かをしなくては、今しか作れないものがあるのではと思っていた中でウランに出合ったので、自分の身を削ってでも作りたかった。実際はパソコンやテレビと同じくらいの放射線量なのだが、マスクをして制作した」と振り返り、「震災前と後で僕の中でもパラダイムシフトし、世の中も大転換を起こしている。どちらが良い・悪いではないが、変わりたいと思う人となるべく日常に戻したいという両極端になっている気がする。完全に何かが違ってしまったというのは今表現したいと思った」と話す。

 開催時間は、火曜~金曜=13時~20時、土曜・日曜・祝日=12時~19時。月曜定休。今月27日まで。

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