「行方不明」のモヤイ像、戻る-ルパン三世「犯行声明」から2週間

ルパン三世による「犯行前」のモヤイ像(左)と戻ってきたモヤイ像(右)。洗浄により30年前の白さを取り戻した

ルパン三世による「犯行前」のモヤイ像(左)と戻ってきたモヤイ像(右)。洗浄により30年前の白さを取り戻した

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 12月7日未明、ルパン3世の「犯行声明」とともに姿を消し行方不明になっていた渋谷駅南口の「モヤイ像」が21日未明、同所に戻った。

新島産「抗火石(コーガ石)」本来の白さを取り戻したモヤイ像

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 「犯行」は、平和や日本テレビ放送網、バンダイナムコゲームス、トムス・エンタテインメントなど6社が協賛する「LUPIN STEAL JAPAN PROJECT」によるもの。11月下旬に立ち上げた公式サイトで「ルパンに盗んでほしい物」を一般募集。第1弾としてモヤイ像が「盗まれた」。数日前から渋谷の街頭各所で「犯行予告」が掲出されていたほか、犯行当日は渋谷駅前の大型ビジョン「Q’s eye」にも「渋谷南口のモヤイ像は、いただいた。」の犯行声明が流された。

 この日、同時に行方不明になっていた大阪道頓堀のくいだおれ太郎も戻ってきた。同プロジェクトのホームページは「恋人の待ち合わせ場所としても重要な両スポット。クリスマスを前に人の恋の邪魔はしないルパンからのすてきなクリスマスプレゼントなのかもしれない」と記している。

 今回の「犯行」、実は同プロジェクトと新島観光協会のタイアップによるもの。東京都移管100周年を記念し、1980(昭和55)年に新島村から渋谷に寄贈されたモヤイ像はこれまで、同協会担当者が何度か渋谷を訪れ金タワシで洗浄を行ってきた。しかし、寄贈から約30年を経て汚れがひどくなったため、今回いったん新島に引き揚げ、洗浄を行っていたのが事の真相。

 洗浄について、新島観光協会事務局長の宮澤和美さんは「まず高温のスチームを吹き付け、長年たまったほこりや汚れを十分に落とした後、金タワシで擦り洗いした。洗浄後は、新島産『抗火石(コーガ石)』本来の白さを取り戻し、30年前に寄贈した当時の色になった」と話す。モヤイ像の「モヤイ」は、「もより合う」「力を合わせる」を意味する新島の言葉とモアイ像を掛け合わせたもので、「当時の観光協会のスタッフが考えたもの」とも。

 モヤイ像が戻った21日には同像周辺で、同協会が新島の観光パンフレットや新島ガラスのサンプル、新島名産・焼きくさやのサンプリングを行った。一方、同プロジェクトは1月7日、東京ドームシティ・プリズムホール(文京区)でイベント「ルパン三世が盗んだ『お宝』山分け会」の開催を予定している。

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