写美で「マリオ・ジャコメッリ」写真展-「生」「死」をハイコントラストで表現

「若き司祭たち」より 1961-1963年 ©Mario Giacomelli estates

「若き司祭たち」より 1961-1963年 ©Mario Giacomelli estates

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 東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス、TEL 03-3280-0099)は3月15日より、イタリア人写真家、マリオ・ジャコメッリ(1925-2000)の大規模な写真展「知られざる鬼才、マリオ・ジャコメッリ展」を開催している。

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 ジャコメッリは、イタリア中部の小さな街、セニガリアの生まれ。10代半ばから地元の印刷屋で働き始め、生涯この職業に従事する。そのかたわらカメラに興味を持ったジャコメッリは、1950年代から写真を撮り始める。

 作品は、「黒」と「白」のハイコントラストを特徴とし、その強烈なコントラストは「生」と「死」になぞらえられることも。地元セニガリアでアマチュア写真家として活動するジャコメッリは、母親の働くホスピスにカメラを持ち込み、「生」と「死」をテーマにした撮影などを行う。この作品は後に「ホスピス」シリーズとして、代表作のひとつに挙げられる。

 同展では、1954年から1983年にかけて撮影された「ホスピス」シリーズをはじめ、黒い伝統衣装をまとった人々が行き交うローマの村、スカンノで撮った「スカンノ」シリーズ(1957-1959)、修道院の司祭たちが戯れる日常のひとときをとらえた「若き司祭たち」シリーズ(1961-1963)などの代表シリーズを展示。

 死の年まで撮り続けた、植物や農作物をはぐくむ大地に生と死を見いだした「風景」シリーズ(1955-2000)や、セルフタイマーで撮られた遺作「この憶い出を君たちへ」シリーズ(1998-2000)など、晩年のシリーズなども幅広く紹介している。

 開場は10時~18時(木曜・金曜は20時まで)。月曜休館(5月5日をのぞく)。入場料は、一般=1,000円、学生=800円ほか。5月6日まで。

写美で「シュルレアリスムと写真」展-マン・レイや植田正治の作品も(シブヤ経済新聞)知られざる鬼才、マリオ・ジャコメッリ展東京都写真美術館

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