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表参道で気鋭彫刻家・棚田康司さん個展-新作7体の少年少女像

場内には少年少女の像7体が展示されている。写真=「風の少年 wind boy 2011」(クスノキ材一木造に彩色、絹糸 163×62×38cm)photo: Jun Kumagai copyright: SPIRAL / Wacoal Art Center

場内には少年少女の像7体が展示されている。写真=「風の少年 wind boy 2011」(クスノキ材一木造に彩色、絹糸 163×62×38cm)photo: Jun Kumagai copyright: SPIRAL / Wacoal Art Center

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 スパイラル(港区南青山5、TEL 03-3498-1171)1階スパイラルガーデンで現在、気鋭彫刻家・棚田康司さんの個展「○と-(らせんとえんてい)」が開催されている。

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 1968(昭和43)年兵庫県明石市生まれの棚田さん。東京造形大学造形学部美術学科II類(彫刻)卒業、東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。2001年には文化庁芸術家在外研究員として7カ月ベルリンに滞在。「第8回岡本太郎記念現代芸術大賞」特別賞を受賞するなどしている。ベルリン滞在時に西欧人との体格の違いや「気に命を見いだす日本人の感性にあらためて気付いた」という棚田さんは、以来、頭部と胴体を1本の木から彫り出す木彫技術「一木造り」を用いて、少年少女の像を制作している。

 展覧会名は江戸時代の「判じ絵」をヒントに、「○=らせん(スパイラル)」、「-=園丁(庭師から転じ庭園・ガーデン)」から連想。らせんは「上昇する風(=自然)」、園丁は「整えられた庭園(=人工物)」をイメージさせることから、同展の自然と人の「境目としてのスパイラルガーデン」も示唆している。エントランスホールには「家々を見守る」少女の胸像「家の少女」を、らせん状の吹き抜け空間(アトリウム)には、風神雷神をヒントに制作した一対の立像「風の少年」「導雷少女」を配置。7体の新作でスパイラルガーデンの空間全体を「神秘的な空間」に仕上げた。

 棚田さんは「建築として緻密に計算されていて、場所も青山という東京の中央にあり、人間臭さや神秘的な気配が一切ない空間。この空間にあえて神棚や神社仏閣が感じられる神秘性を拡大して持ち込んだら面白いと思った」とコメントを寄せている。

 開催時間は11時~20時。無料。10月10日まで。

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