「かくれんぼ専用」「すき焼き専用」など「専用すぎる」腕時計を展示する企画展が現在、原宿駅近くの商業施設「ウィズ原宿」(渋谷区神宮前1)1階のセイコーウオッチの拠点「Seiko Seed」で開かれている。
創業から140年以上の事業展開の中でダイバーズウオッチや競技専用のストップウオッチ、鉄道時計など、多くの分野で「専用」デザインの時計を発表してきたセイコーの社内デザイナーらが「専用」の時計をデザインした。
会場には計7つのデザインの時計が並ぶ。「かくれんぼ専用腕時計」は、2013(平成25)年セイコーウオッチに入社し、欧州・米国向けのモデルを中心に、2020年以降は国内向けブランドを担当している川村公則さんがデザイン。「鬼」向けにデザインされた時計は開閉式で、閉じた状態で見つけたプレーヤーの数をダイヤルでカウントしておけるほか、開いた状態では左目でカウントを確認しながら右目を目隠しのように覆えるため、鬼ごっこの最初の待ち時間にも使える。
薄上紘太郎さんが手がけた「パタンナー専用」の腕時計は、まち針を刺すピンクッションが時計を囲み、まち針を刺したようなりゅうずのデザインにも遊び心を持たせた。花びらやドーナツのようなピンクッションで3つのデザインを用意した。2012(平成24)年入社の酒井清隆さんによる時計は、「パンダ好きに選んでほしい」と、「パンダ要素」を徹底。白いモコモコとしたベルトに、ケースの上部には黒い「耳」のパーツをあしらい、パンダの顔の特徴である目の周りの「垂れ目」シルエットの黒い部分にはサブダイヤルを配置した。
そのほか、マスキングテープ本体を腕に装着できる「マスキングテープ好き専用腕時計」(檜林勇吾さん)、すき焼きの食べ頃などが分かる「すき焼き専用腕時計」(吉田顕さん)なども。
同展は、セイコーのデザイナーによる実験的な試みとして2001(平成13)年~2009(平成21)年に展開し、一昨年再始動した社内プロジェクト「power design project」の一環。「デザイナーたちは頭を抱えつつ、真剣に可能性を探った」(同社広報)と言い、「おのおのが愛してやまないモノ、突き詰めたいと思うモノやコトといったモチーフを不必要なほどに突き詰め挑戦した結果」を形にしたという。
営業時間は11時~20時(入場は19時45分まで)。入場無料。3月31日まで。