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区立恵比寿南一公園がリニューアル 「プレーパーク」中心にドッグカフェなども

遊具を撤去し「プレーパーク」が中心となった。左手後ろは恵比寿ガーデンプレイスタワー

遊具を撤去し「プレーパーク」が中心となった。左手後ろは恵比寿ガーデンプレイスタワー

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 恵比寿ガーデンプレイス近くの渋谷区立恵比寿南一公園(渋谷区恵比寿南1)が9月1日、リニューアルオープンした。

カフェやペットサロン・ホテルなどを併設する施設

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 同園では、公募設置管理制度「Park-PFI」を、区立北谷公園に続き、区内で2カ所目として導入。同制度では飲食店・売店といった収益施設など(公募対象公園施設)の設置と、園内・周辺の園路などの公園施設(特定公園施設)の整備・改修を行い、整備後の管理運営を行う事業者を公募。維持管理・運営を行うサッポロ不動産開発を代表企業に、施工を担当するスターツCAM(江戸川区)、設計・監理のUDS(代々木2)で構成する共同事業体が、公募型プロポーザルで同園の管理運営事業者に選ばれた。指定管理期間は2027年3月31日まで。

 JR線の線路を挟み恵比寿ガーデンプレイスと隣接する同園。面積は2016.79平方メートル。1955(昭和30)年3月1日に開園した同園は、イカの形がした遊具があったことから通称「イカ公園」としても知られたが、同遊具はリニューアルに伴い撤去。ベンチや事務所などに加え、広さ143.1メートルの敷地に、地上2階建ての施設を新設した。外装は園内の木々や植物、土と調和しなじむ色味や風合いの素材を採用してデザインし、ガラス面も広く取った。

 「育つ」「つながる」「広がる」をキーワードに、「子育て、地域交流、コミュニティー拡大に貢献する」公園づくりを目指した。

 区が取ったアンケートの中で「自然と触れ合える場がほしい」という声などがあったことや区がそうした場の拡大を図っていることなどから、既存の遊具は撤去して「プレーパーク」(運営は一般社団法人渋谷の遊び場を考える会)を中心機能に据えた。園内中央には施設の建設で発生した既存土を再利用して起伏を作った、土がベースの空間に仕上げた。「子どもの自発性や創造性を育むこと」を目的に、「プレーリーダー」と呼ばれる大人と子どもたちが一緒に考えながら、子どもたち自らが遊び場を作っていく場を目指す。開園時間は10時~17時。木曜・金曜定休(9月2日は開園)。

 一角には芝生のエリアを設け、桜の木など樹木はできる限り残している。存続を望む声が多かったという、ボール遊びが可能なネットで覆われた多目的スペースはそのまま、健康遊具は場所を移動させて、それぞれ残した。

 新築した建物にはアンディカフェ(目黒区)が手がける「アンディカフェ恵比寿店」が出店。2フロア構成で延べ床面積は286.2平方メートル。

 1階にはペット同伴可能なダイニングカフェがオープン。席数は店内で36席。フレンチ出身のシェフが作るオムライスやパスタ、スイーツなどの洋食中心のメニューや、手作りするドッグ向けメニューを提供する。2階に、トリミングやシャンプーなどを行うサロン、一時預かり(1時間700円~)や宿泊(1泊6.600円~)に対応するホテル、約50平方メートルの屋内ドッグランを併設する。ランではドッグトレーニングも行う。

 営業時間は、カフェ=12時~22時、サロン=19時~19時、ホテル=9時~19時、ラン=17時~19時30分(土曜・日曜・祝日は11時~19時30分)、トレーニング=9時~19時。

 長谷部健渋谷区長は、空き地や泥遊びなどができる場が少ないという都心ならではの課題を挙げ、「行政が(そのような場を)公園として用意して、そこに地域の人が集まってコミュニティーが生まれ、地域を愛する気持ちが高まっていく循環が期待される」と話す。代々木公園近くの渋谷はるのおがわプレーパークが「子どもの来園が区内で最も多い園」であることにも触れ、「意味のある公園になるのでは」と期待を込めた。

 恵比寿ガーデンプレイスを運営するサッポロ不動産開発の時松浩社長は、同事業を「ガーデンプレイスを中心にまちづくりをしていく意味で非常に意味があるもの」と言い、「まちづくりそのものが、ガーデンプレイスや街そのものの価値を上げることになるので、事業に参画することは街の皆さんとの共創の第一歩だと思っている。今後も共創していくということで、ガーデンプレイス周辺の環境整備、街全体の価値向上に尽力していきたい」と話した。

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