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廃棄漁網をアップサイクルした「ウエディングドレス」、渋谷で披露 東コレで発表

文化服装学院2年の高田綾さんがウエディングドレスをイメージして作ったドレス

文化服装学院2年の高田綾さんがウエディングドレスをイメージして作ったドレス

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 廃棄漁網をアップサイクルした生地で作られた「ウエディングドレス」が9月1日、渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)8階「8/COURT」で披露された。

ゲストとして登場したトラウデン直美さん

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 フィッシングブランド「DAIWA(ダイワ)」を手がける大手釣り具メーカー「グローブライド」(東久留米市)が、今年3月に立ち上げたプロジェクトの一環。8月29日に開幕したファッションイベント「Rakuten Fashion Week TOKYO(楽天ファッションウィーク東京)」の公式プログラムとして、昨シーズンに続き展開する。第2弾となる今季は、産学連携プロジェクトとして文化学園と東京芸術大学の学生と手を組み、学生らが廃棄漁網からファッションアイテムや作品を制作した。

 プロジェクト名は「BE EARTH-FRIENDLY(ビーアース フレンドリー)」。3月の東京コレクション期間中に、第1弾として表参道ヒルズ(神宮前4)で廃棄漁網をアップサイクルしたファッションアイテムなどを初披露した。海をフィールドとすることから海洋環境問題の課題にも取り組んできた同社が、これまで埋め立て処理してきた廃棄漁網に着目。漁網を洗浄しバラバラに刻み、溶かしてペレットにしたものを糸にして、さらに織り直した独自の生地を使い、オートクチュールのドレスを含むアイテムを発表した。

 前回の取り組みの際、会場を訪れた学生らと接し、「環境問題やアップサイクルなどに興味はあるが、『何をしたらいいのか分からない』『これなら参加できる』という声を聞いた」と言う同社執行役員でフィッシング営業本部アパレルマーケティング部の小林謙一部長。「だったら学生と組もう」と、第2弾は産学連携プロジェクトとして始動。文化学園の学生にリサイクル生地を提供し、今回、全24体が制作された。

 審査会で最優秀賞に選ばれたのは、文化服装学院アパレル技術科2年の高田綾さんが手がけた真っ白なドレスで、作品名は「alignment (アライメント)連携」。授賞式で自身の作品を前に、高田さんは「この作品はウエディングドレスをイメージして作った。アップサイクルの布でウエディングドレスが作ることができるほど、サステナブルが浸透していく世界になればと思い制作した」と説明。

 ドレスは、細かくひだを寄せた生地をフロントでクロスさせたトップと、同じ生地をプリーツ加工しギャザーやレイヤードで上部にボリュームを持たせ、裾に向かって流れるように伸びるスカートが特徴。これまでのアップサイクルの作品は、ファッション小物やカジュアルなデザインが多かったなか、アップサイクルをクチュール作品にまで高めたことなどが評価された。

 授賞式には、審査会にも参加したモデルのトラウデン直美さんが、漁網をアップサイクルしたファッションをまとって登場した。

 高田さんの最優秀作品のほか、優秀賞の2作品(文化ファッション大学院=鐘慧さん、同学院=竹内大樹さん)と審査員特別賞の2作品(同大学院=イ・チャンミンさん、同学院=堀内華乃さん・丸山ひな子さん)を含む全作品は、同会場で展示。会場構成は東京芸大生が担当し、同大生が漁網で制作した作品が天井を覆う。

 開催時間は11時~20時(最終日は18時まで)。入場無料。今月3日まで。

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