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東京都、旧「こどもの城」改修計画を見送り 「まちづくり検討会」新設

旧「こどもの城」外観

旧「こどもの城」外観

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 東京都は5月9日、青山通り沿いにある旧「こどもの城」(渋谷区神宮前5、現「都民の城(仮称)」)を改修し活用する計画を見送ると発表した。

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 こどもの城は、国際児童年を記念し1979(昭和54)年に国立総合児童センターとして厚生省(当時)が構想・建設。敷地面積約9900平方メートル、地下4階~地上13階の施設にプレーホールや造形スタジオなど子ども向けの「遊び」プログラムを提供する児童館活動部門と2つの劇場、ホテル、レストランなどが入っていた。建物の老朽化などを理由に2015(平成27)年2月、惜しまれつつ閉館。2019年9月、都が土地と建物を国から買い取り、複合拠点としてリノベーション活用するための基本計画策定に乗り出していた。

 その後2020年2月に明らかにした基本計画では、複合スペース「都民の城(仮称)」として、「遊び・学び・仕事を通じて、子どもをはじめとした都民が交流・成長できる場」をコンセプトに掲げ、体育室やカフェ、PR拠点、ギャラリー空間をはじめ、教育・創業支援施設などを整備し、施設内の旧青山劇場は多目的ホールに改修する方針で改修を進める予定だった。

 低層部の一部は先行的に改修し、東京オリンピック・パラリンピック時に利用する計画だったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、2021年8月からはコロナに罹患した自宅療養者を一時的に受け入れ医師らが酸素投与などを行う「酸素・医療提供ステーション」として運用。昨年12月には「神宮前五丁目地区まちづくりに向けた有識者会議」第1回を開き、これまで4回にわたり同施設を含む周辺地域のまちづくりについて話し合いを進め、今月17日の第5回で同会議を終了。都民の生活意識や行動に変化が見られ、行政ニーズの変化にも的確に対応する必要があるとして、当初の基本計画の見送りを決めた。

 今後は現在の利用状況を踏まえ、新たに立ち上げた「神宮前五丁目地区まちづくり検討会」で経済面などの効率性や都有財産の有効活用の観点から、「ポストコロナのまちづくりに向けた新たな視点を取り入れながら」、隣接する旧青山病院、コスモス青山、国連大学の周辺都有地と共に一体活用を目指す。

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