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東京都、旧「こどもの城」をリノベーション活用へ 意見募集

旧「こどもの城」外観(2018年9月撮影)

旧「こどもの城」外観(2018年9月撮影)

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 東京都は、青山通り沿いにある旧「こどもの城」(渋谷区神宮前5)を複合拠点としてリノベーション活用するため、全体的な改修方針を定める基本計画策定に向けた意見を募集している。

 こどもの城は、国際児童年を記念し1979(昭和54)年に国立総合児童センターとして厚生省(当時)が構想・建設。敷地面積は約9900平方メートル。地下4階~地上13階、延べ床面積は約4万1700平方メートル。体育室やプレーホール、造形スタジオなど子ども向けの「遊び」プログラムを提供する児童館活動部門、2つの劇場、ホテル(27室)、レストランなどが入っていた。2015(平成27)年2月、「(開館当時と比べ)子どもの遊び方や遊び場所が多様化したこと」や建物の老朽化などを理由に惜しまれつつ閉館した。

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 昨年9月に小池百合子都知事が「都のさまざまな政策実現にも資する、さまざまな可能性を有した土地」と同所立地面を評価するとともに「寿命を迎えることなく役割を終えた。取り壊すのはもったいない」と施設の有効活用を検討していることを明かし、今年9月に都が国から土地と建物を取得した。

 複合スペース「都民の城(仮称)」は、「遊び・学び・仕事を通じて、子どもをはじめとした都民が交流・成長できる場」をコンセプトに掲げる。

 都が11月22日に公表した中間まとめでは、地下2階=誰もが利用できる体育室・トレーニング室、地上1階=東京の産品を生かしたメニューも提供するカフェ、多摩産材などのPR・体験拠点、東京産品の情報発信や展示、体験を提供するスペースなどを計画。2階=児童・生徒の美術作品や都民の文化活動などの展示・体験スペースとして活用できるギャラリー空間、3階=絵画などの制作ができる造形スペース、遊具などを設置するプレースペース、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)など先端技術の体験、最新機器などの展示コーナーなどを設け、地下1階~地上2階に位置する旧青山劇場は多目的ホールに改修する。

 4階は都立定時制課程や通信制課程の生徒を対象にした教育施設と、スタジオだった空間を使う多目的ホール。乳幼児用スペースとする5階は、施設内でイベントを行うときなど一時的な託児施設託児スペースも設ける。屋上はイベントなどにも活用できるようにする。6階・7階はコンテンツやアニメ産業などの創業間もない中小企業などにオフィスや会議室の提供などを行う創業支援施設、8階は3Dプリンターなどを置く工房や研究施設「TOKYO STEAMラボ」、レストラン、9階は福祉人材育成施設、10階・11階は女性・高齢者に対する就業支援や障がい者の職場定着支援などを行うエリア、12階は首都大学東京・産業技術大学院大学の講座などが受けられる教育研究施設、12階は女性経営者支援施設を、それぞれ計画する。

 設計など・改修工事は2020年に着手。低層部の一部を先行的に改修し、東京オリンピック・パラリンピック時に利用。2023年度に「都民の城(仮称)」としての供用を目指し、最短で2029年以降、隣接する旧青山病院(住宅展示場として一時貸付)、コスモス青山、国連大学の周辺都有地と共に一体的に活用していく。改修工事とともに施設の運営形態や具体的に実施する事業の内容などに関する検討を進める。

 「都民の城(仮称)」は当面の間の活用予定であることから、改修工事費を「最小限に抑えること」を前提に既存建物を可能な限り生かす。改修では、内外装や防水改修、バリアフリー対策としてスロープや手すりなどを追加工事するが、地下2階のプールなどは改修の見送りを検討する。

 改修の概算工事費は今後検討した上で本年度内に算出予定。

 意見はメールやファクス、郵送のいずれかで受け付ける。募集期間は12月21日まで(郵送は当日消印有効)。都は年度内をめどに計画を策定・公表する予定。

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