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東京都児童会館跡地や渋谷区立美竹公園などを一体的に開発へ

完成予想図(「Link Park」の提案イメージ)

完成予想図(「Link Park」の提案イメージ)

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 東京都児童会館跡地(渋谷区渋谷1)や隣接する渋谷区役所旧第二美竹分庁舎および渋谷区立美竹公園を一体的に共同開発する事業予定者が3月29日、ヒューリック(代表企業)と清水建設で構成する「Link Park」(リンクパーク)に決まった。

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 東京都が所有する施設や土地を、民間の資金力やノウハウを生かして、その地区の特徴を踏まえながら開発することで街づくりを促進する「都市再生ステップアップ・プロジェクト」の渋谷駅周辺エリアの第2弾。同プロジェクトの同エリア第1弾は、宮下町アパート跡地を活用して2017(平成29)年に渋谷キャスト(渋谷2)が開業した。

 同エリア一体は明治期には梨本宮邸が位置し、昭和期には戦後復興の土地区画整理事業で街並みが整備されると同時に、渋谷区立渋谷小学校(神南小学校に統合)が移転。児童会館は唯一の都立大型児童館として1964(昭和39)年に開設され、同時期に美竹公園も開設されている。児童会館は2012(平成24)年に閉館し、跡地や美竹公園の一部などを活用し、2015(平成27)年~2019年には渋谷区が仮庁舎を置いていた。

 「都市再生ステップアップ・プロジェクト(渋谷地区)渋谷一丁目地区共同開発事業」と称する同事業は、人の流れを地域に呼び込むことや多世代が交流できる拠点を作ることなどを目的としている。東京都と渋谷区は、両者が共同で隣接する都有地と区有地を一体的に活用するため、2020年度に協定を締結している。

 事業者は公募型プロポーザル方式を採用(応募は2グループ)。児童会館の歴史を踏まえた人材育成が行える創造文化教育機能を持つ施設や、多目的ホールなど渋谷小学校にあった体育館機能を有する施設、帰宅困難者支援(受入)施設、居住空間の整備、美竹公園の立体都市公園化などを要項に挙げた。70年間の定期借地を設定し、事業期間終了時には事業場所を更地にして都と区に返還する契約となる。

 面積は9670.81平方メートル。リンクパークの提案は、地下2階~地上14階(塔屋1階)建て、延べ面積は46577.46平方メートル。建物の高さは最高で74.8メートル。

 事業コンセプトは「Mitake LinkPark:ヒト、モノ、コトを結ぶ『共生、共創、共育』の場」。「子どもの子どもによる」学びと活動の拠点「100のひろば」や、クリエーティブ産業の施設またはクリエーターの育成・交流・発信に資する施設など創造文化教育に資する施設(1001.79平方メートル+501.37平方メートル)、子育て世代とクリエーティブ人材の定住の場となる賃貸住宅26戸、スポーツなどを通じた多世代の交流拠点となる多目的ホール「ミタケアリーナ」(558.65平方メートル+458平方メートル)、オフィス、商業施設などを整備する計画。

 整備エリアに隣接する高齢者支援施設「美竹の丘・しぶや」と渋谷キャストをつなぐ「ミタケコミチ」の整備や、美竹通り沿いやユニット型の菜園「蝶(チョウ)のにわ」を核にした東方の歩行空間による賑(にぎ)わいの創出、曲線の土の帯「つちひも」で統一感を出すことで施設と一体化した公園の整備なども提案されている。

 本来年度基本協定を締結、2023年度定期借地権設置契約の締結、建設着工、2026年完工予定。

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