「わたしを読んで」-渋谷・中央街のギャラリーで自作短編小説アート展

言葉をピンで止めて光を当て文章を影として壁に写し出す作品

言葉をピンで止めて光を当て文章を影として壁に写し出す作品

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 渋谷の書店スタッフによる自作短編小説のアート展「わたしを読んで。~すごくみじかい小説展~」が現在、中央街のギャラリー「ギャラリーコンシール」(渋谷区道玄坂1、TEL 03-3463-0720)で開催されている。

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 1983年東京生まれの渡辺元気さんは、数年前から渋谷の書店で働く。店頭では「現実に足のついていない小説」「人を出し抜くための手引書」「人生の答えを前もって教えてくれる本」などが売れる傾向にあるといい、疑問を感じた渡辺さんが、そうした傾向に「挑んでいきたい」と企画した。

 「本当の小説には『力』がある」と渡辺さん。「読者が読書の面白さを知るための橋渡しになれれば」と話し、同展では自作の超短編小説20編近くの「文章」を、「小説を1冊も読んだことのない人にも、すっとその世界に入っていけるように」と工夫を凝らした方法で展示する。

 文章は、作品内容に合わせて紙質やフォントもさまざまに印刷。会場には、くりぬき文字に光を当て壁に映る影の文字列を文章として読ませる作品や、入口にのれんのようにぶら下げた青や水色のテープに短い文章を印字した作品、用紙を天井からつるした作品などが並ぶ。

 渡辺さんは「(この作品を見て)本当につまらないと感じたのならば、容赦なくつまらない、わからないと伝えてほしい。それが、その人が自分自身を貫くこと。その人が自分自身であり続けること」と話す。「わが身の腹の底からわき上がる感動を大事にしてもらえれば。もちろん『面白い』『すごい』『来て良かった』と感じてもらえたら、これはもう本当にうれしい」とも。

 営業時間は11時~23時(最終日は21時まで)。入場無料。10月11日まで。

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