IT大手のGMOインターネット(渋谷区桜丘町)は4月17日、各サービスの手続きの印鑑を撤廃した。
これまで紙で取り交わされてきた契約書の電子化(ペーパーレス化)が進みつつある中、商習慣としての印鑑の文化は根強く、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛要請でテレワークが推進される一方で、捺印が必要な契約業務で出社しなくてはいけない人もいる。
同社では出社が制限される状況が長期化することも念頭に、「出社対応が求められる現状を変えていくべき」と、今回の印鑑の撤廃を決めた。今月15日には、熊谷正寿社長がツイッターで「決めました。GMOは印鑑を廃止します」(原文ママ)と宣言していた。
同時に、グループの各サービスで順次、申し込み・解約に際する印鑑の完全撤廃を進めるほか、グループ全ての取引企業には、電子契約への切り替えを要請していく。
グループのGMOクラウドが提供する電子契約サービス「Agree」では、押印申請や契約処理のためにやむを得ず出社している企業に向け、スタンダードプランの月額基本料金と電子サイン利用料(文書の送信料)を1年間無償提供する取り組みも始めた。提供期間は来年4月30日まで(申し込みは今年5月31日18時まで)。
同社は国内で初の感染者が確認された1月下旬から渋谷だけでなく、大阪と福岡のグループ企業を在宅勤務に移行したほか、従業員に防護マスク「N95」の配布・着用などの対策を講じるなど、早くから感染予防に努めている。