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サンロッカーズ渋谷、A東京に惜敗 残り2分弱で13点の追い上げ

終盤に攻守でチームを引っ張った石井講祐選手

終盤に攻守でチームを引っ張った石井講祐選手

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 Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が1月22日、墨田区総合体育館でアルバルク東京(同、A東京)と戦い78-79で惜敗した。

残り約10秒でボールを奪ったベンドラメ礼生選手

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 チケットが完売し2638人が詰め掛けた中、試合前には今月上旬に行われた「第95回天皇杯全日本バスケットボール選手権大会」の優勝を報告。ベンドラメ礼生選手は「見に来てくれた方もたくさんいたと思うが、自分の口で感謝を伝えられたのは良かった」と話した。

 試合は、「課題の試合の入り」(ベンドラメ選手)からA東京にペースをつかまれる展開となった。「良いシュートは打てていた」(チャールズ・ジャクソン選手)が決めきれず得点が伸び悩む中、リバウンドから速攻を出されたほか、オフェンス(OF)リバウンドからセカンドチャンスを与えてしまったのも「大きかった」(ジャクソン選手)。それでも第1クオーター(Q)残り8.9秒で投入された関野剛平選手がスローインのボールを奪い、ライアン・ケリー選手が3ポイント(P)シュートを沈め、いいかたちで同Qを終えると、第2Q立ち上がりには「田中(大貴)選手を押さえろと言われている」と今シーズンはA東京戦で先発出場が続いている渡辺竜之佑選手が、田中選手からボールを奪うなど、立て続けに持ち味のディフェンス(DF)が光った。渡辺選手は第3Qには「ゲームをコントロールしていたので、崩させよう」と、A東京の安藤誓哉選手から8秒バイオレーション(OFは8秒以内にボールをバックコートからフロントコートに入れないないといけない)も奪った。

 追いついては離され、一進一退の攻防となる中、伊佐勉ヘッドコーチ(HC)が「ゲームのポイント」と挙げたのは、最終Q残り5分55秒から4分26秒のオフィシャルタイムアウトまでの約1分30秒。チームスタイルであるタイムシェアをする中で3人をメンバーチェンジしたが、リバウンドからのセカンドチャンスでA東京の須田侑太郞選手に、ターンオーバーから田中選手に連続で3Pを許し10点差を付けられた。伊佐HCは「今日は組み合わせが悪かった」と自責したが、ベンドラメ選手は「僕たちはタイムシェアをする中で、誰が出ても試合の流れを保てるようなチームを目指している。コートに出るのは選手なので、コートの中で立て直さないといけない。一人一人がこの負けを受け止めて、自分がどうだったかと言うのを見つめ直すことが次のステップに向けて強くなるために大事」と振り返った。

 それでも「誰も諦めていなかった」(石井講祐選手)と最終Q残り約2分で怒濤(どとう)の追い上げを見せたSR渋谷。この日2回目の8秒バイオレーションを奪うと、直後の攻撃でベンドラメ選手がミドルレンジのジャンプショットを倒れながらもねじ込む。直後のDFでは、石井選手とジャクソン選手がダブルチームを仕掛けボールを奪うと、石井選手はノールックで背中越しにジャクソン選手にパスを出しダンクをアシストし、A東京にタイムアウトを取らせた。直後には、「どっちに転ぶか分からない中、時間もあった。DFのプレッシャーで流れが変わるので、オーバーにDFした」と石井選手がA東京の安藤選手を執拗(しつよう)にマークし、ショットクロックバイオレーションを奪った。

 残り37.6秒、70-77でSR渋谷は最後のタイムアウトを要求。伊佐HCは「クイックでシュートを打とう」と、この日当たっていた石井選手が3Pを打つOFをデザイン。「(DFが)スイッチしてくると思っていた」(石井選手)と言う読み通り、スクリーンを使って石井選手がボールを受けたときに対峙(たいじ)したのはA東京のケビン・ジョーンズ選手。身長2メートルを超すビッグマンだが、「シュートタッチも良かったので、うまくスペース作って打てれば大丈夫かな」と放った3Pはリングに吸い込まれた。ファウルゲームで時間を止めながら、ベンドラメ選手が約5秒でコートを駆け上がり、レイアップを沈めた直後には、ベンドラメ選手がスローインのボールをスチールすると、石井選手が再び3Pを沈め、残り8.9秒で1点差に。残り4.6秒にはベンドラメ選手がA東京のパスに反応しボールに飛び込んだが奪いきれず、タイムオーバーとなった。ベンドラメ選手は「ゴール下に石井さんがいたので、弾いてそこに落としたかったが飛び込むだけで精いっぱいだった。もう一歩だけでも早く寄れていたら取れていた」と悔しさをにじませた。

 石井選手は終盤の追い上げを「ある意味奇跡的」としながらも、だからこそ「もうちょっと早い段階で詰めてシーソーゲームに持って行きたかった」と振り返る。この日は2桁点差を付けられる場面が複数見られたが、「そういう時に焦って早く打ってしまっていた。1回のパスでシュートを決めよう、1つのスクリーンでどうにかしようとし過ぎたのが、うまくいっていなかったのかな。OFをチームで作って、僕以外も含め、もっとオープンな簡単なシュートを作れた方が良かった」と考えを示した。

 今節でレギュラーシーズン前半30試合を消化。SR渋谷は20勝10敗で東地区3位に付けている。ベンドラメ選手は「もっとやれる。10敗もするチームじゃない」と貪欲な姿勢を見せる。伊佐HCは「数字的には悪くないが、欲を言えば、あと2勝くらい多くても良かった」と振り返りつつ、「サンロッカーズのバスケットを積み上げて、60試合終わったときに新たなステージに進めるように後半戦も頑張りたい」と意気込む。

 SR渋谷は、今月25日・26日はレバンガ北海道と、29日は千葉ジェッツと、それぞれアウェーで戦った後、2月1日・2日にホーム青山学院記念館(渋谷区渋谷4)に琉球ゴールデンキングスを迎える。

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