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渋谷駅西口に「東急プラザ渋谷」開業 閉館から4年8カ月ぶりに「復活」

「東急プラザ渋谷」2階エントランス。ドアオープン時の様子

「東急プラザ渋谷」2階エントランス。ドアオープン時の様子

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 再開発のため2015(平成27)年3月に閉館した「東急プラザ渋谷」(渋谷区道玄坂1)が12月5日、新複合施設「渋谷フクラス」内に復活した。若者のイメージのある渋谷で、あえて「大人」をターゲットに据え、食やファッションだけでなく、健康やライフプランなども軸とし全69店舗を集積する。この日はオープン前から100人以上が並び、9時55分にドアオープンを迎えた。

板谷由夏さんらが参加したテープカット

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 旧「東急プラザ渋谷」は、1964(昭和39)年の東京オリンピック開催翌年となる1965(昭和40)年6月13日に、前身となる複合ビル「渋谷東急ビル」として開業。開業当時から営業していた店や、生鮮食品売り場、40代以上の女性向けのアパレルショップなど約90店が営業し、最終営業日には約3万人が訪れ閉館を惜しんだ。復活した新生・東急プラザ渋谷でも、大人やシニア世代をターゲットに、「高感度」「成熟」「都会派」などのキーワードを打ち出し集客を図る。

 オープニングセレモニーには、東急不動産社長の大隈郁仁社長や、長谷部健渋谷区長、女優の板谷由夏さんらが参加しテープカットを行った。大隈社長は「4年前、49年の歴史に幕を閉じた東急プラザ渋谷が装いも新たに本日開業する。若者の街というイメージの渋谷で『大人を楽しめる渋谷へ』をコンセプトに、多様な人々が遊べる場所を具現化したい」とあいさつ。板谷さんは「私にとって福岡から上京して東京=渋谷というイメージ。ここ数年、進化を遂げている渋谷に子どもたちを連れてくるたびに、懐かしさと新しさでワクワクする。私も同じように年を重ねながら渋谷の街を見ていきたい」と話した。

 東急プラザ渋谷は、「渋谷フクラス」の中でも、地上2階~8階と屋上階層の17階・18階に出店する。「待ちに待った日が来た。若者の街で(大人をターゲットに据える)チャレンジは冒険。裏の中央街もますます活発になる」と期待を寄せた長谷部区長も「個人的に注目」と話した待ち合わせスポット「デジタル・ハチ公」が、玄関口の2階で客を出迎えるほか、最上階には約1200平方メートルの屋上空間「SHIBU NIWA(シブニワ)」が広がり、広場に面する形で、シンガポール「マリーナベイ・サンズ」にも出店する高級エンターテインメントレストラン「CE LA VI(セラヴィ)」が日本初出店し華を添える。

 施設の「目玉」フロアとして、新たなチャレンジの場に位置付ける5階は、「シブヤライフラウンジ」をテーマに、ロボットとの共生から終活まで、「人生の集大成」に向けたライフスタイルを提案。フロアの中心に位置し、ソフトバンクロボティクスが初めて手掛けるカフェ「Pepper PARLOR(ペッパーパーラー)」では、ヒューマノイドロボット「Pepper(ペッパー)」5台が並んで客を出迎える店頭も見もの。内装、プロデュースには、施設全体の商環境デザイン、ブランディングをそれぞれ手掛ける柴田陽子さん、森田恭通さんをそれぞれ起用する同店は、ヒューマノイドロボット「NAO(ナオ)」が時報代わりにダンスし、AI(人工知能)清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」が営業終了後に床を清掃。「未来の想像が広がるカフェ」(柴田さん)を目指す。

 そのほか、ビームスが「日本」をキーワードにさまざまなコンテンツをキュレーションする「BEAMS JAPAN(ビームスジャパン)」(2階)、刃物などの道具をそろえる創業227年の老舗「日本橋木屋」、月替わりで設定したテーマに沿い1カ月サイクルで4店舗が出店し、エントランスに設けたパッサーカウンター(人数計測装置)や属性推定カメラなどのセンシング機器などで客の消費行動も分析するプレミアムコンセプトストア「111-ICHIICHIICHI-」(以上、3階)、専門の購入前プログラムやスタイリッシュな展示スペースも目を引く補聴器専門店「東京ヒアリングケアセンター」(4階)などが出店。

 6階・7階には食フロア「渋谷グラン食堂」をオープンし、「『日本初』のような派手さではなく、さまざまな気分でチョイスできるバラエティーあふれる13店舗」(長尾康宏総支配人)が集積。共に老舗のうなぎ・日本料理店「鰻 渋谷松川」、すし店「ささしぐれ 築地玉寿司」(以上、6階)が旧東急プラザ渋谷からの再出店で復活を果たす。

 渋谷フクラスではこのほか、17階に企業やクリエーターのスタートアップを支援し、クリエーティブコンテンツ産業や外国企業の進出の足掛かりとなる産業進出支援拠点を開設。1階には、企業や自治体などの訪日プロモーション支援などを手掛けるJTBコミュニケーションデザイン(港区)と東急不動産が組み、総合プロデューサーにシティーガイド「タイムアウト東京」を運営する手掛けるオリジナル(広尾5)の伏谷博之社長を招く観光支援施設「shibuya-san(シブヤサン)tourist information&art center」がオープン。施設に面したバスターミナルには、空港リムジンバスや東急バスの一部が乗り入れる。

 飲食店ではほかに、1階につけ麺専門店「つじ田」やスターバックスコーヒー、レモネード専門店「LEMON by レモネードレモニカ」、プロントの新業態カフェ&バー「IL BAR(イルバール)」が11月に先行オープンしている。

 東急プラザ渋谷の営業時間(一部店舗は異なる)は、物販・サービス=10時~21時、飲食・17階屋上テラス=11時~23時(屋上テラスは最終入場22時30分)。

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