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渋谷フクラスに観光支援施設「シブヤサン」 スタッフは外国人、アート企画も

バスターミナルに面した場所に位置する「shibuya-san」の外観

バスターミナルに面した場所に位置する「shibuya-san」の外観

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 渋谷駅西口の複合施設「渋谷フクラス」(渋谷区道玄坂1)1階に12月5日、観光支援施設が「shibuya-san(シブヤサン)tourist information&art center」がオープンする。

外国人スタッフがコンシェルジュを務める

 渋谷フクラスの事業者として参画する東急不動産(道玄坂1)が、都市再生特別地区の要件の中に観光支援施設が含まれていたことから2年ほど前から企画を進めていた同所。総合プロデューサーにはシティーガイド「タイムアウト東京」を手掛けるオリジナル(広尾5)の伏谷博之社長を招き、JTBコミュニケーションデザイン(港区)に運営を委託する。施設名の「シブヤサン」は、渋谷と敬称の「さん」を組み合わせた造語で、ロゴマークはインフォメーションセンターのピクトマークである「i」マークを擬人化したデザインに仕上げた。

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 コンセプトを考える中、海外旅行に行った際に「あまり観光案内所に行かない」ことから、「既存の観光案内所の概念を壊すところから始まった」と振り返る、東急不動産の都市事業ユニット都市事業本部商業施設開発部事業企画グループ係長の若津宇宙(たかおき)さん。ネットでも情報が得られる時代の中、「リアルの場所の価値を考えること」を重点に置き、「観光客がローカルの人やカルチャーに深くつながる、交われることを全ての基軸に置いた」と言う。

 内装デザインは「ルイ・ヴィトン」の店舗外観の設計などを手掛けた建築家・青木淳さんが担当し、「渋谷のロビー」をコンセプトに仕上げた。天井の高いエリアと低いエリアを作り、さまざまな使い方に対応するため、天井には照明やスピーカーを設置できるバトンパイプやピクチャーレール、床下には配線用の溝を用意。壁や床は汚れが目立ちにくく補修もしやすいラワン合板とフローリングを採用。一面はガラス張りに仕上げた。壁面の什器は同所のテーマカラーである赤色にし、扉付きの棚にすることで展示ボックスとしても使えるようにした。エントランスの壁や場内の机は可動式にし、イベント時など状況に合わせてレイアウトを変えられるようにした。

 同所ではカウンター越しの接客を廃止。留学生を中心に外国人が観光コンシェルジュとして滞在し「外国人目線で」渋谷を案内する。オープン時は中国・韓国・台湾・タイ・アメリカ・コロンビア・ドイツ・イタリアなど12カ国・地域、約20人(1日約3人)が、日本語と英語に加え、母国語で来場者対応をする。スタッフは半年~約2カ月前から、それぞれの興味・関心があることを中心に「自分なりの渋谷を案内できる」ように渋谷の街をリサーチしてもらったという。ローカルの人たちも「観光客とコミュニケーションを取ってほしい」と、柱の1本はホワイトボード素材で覆い、誰もが自由に「渋谷のお薦め」を書き込めるようにした。

 このほか、20通貨に対応する日本通運の外貨両替機(1台)や、独自のフリーWi-Fi、コンセントの整備、SIMカードの販売もする。手荷物預かり(10時~20時)は一律1,100円で対応し、荷物配送(10時~22時、金額は場所により異なる)は、11時までに預けると即日のホテル配送にも対応する(対応エリアは成田・羽田空港、東京23区内、浦安市内、東京駅、バスタ新宿)。施設の前は、空港リムジンバスも乗り入れるバスターミナルが設定されていることから、施設内のエントランスにはバスチケット販売のカウンターも開設。羽田空港行きの乗車券は自動券売機(1台)でも購入できるようにしている。渋谷区観光協会のガイドツアーの出発地にもなるほか、今後は同協会などの「渋谷土産」販売、日本文化を体験できる企画やワークショップなども予定していく。

 「国境を超えて伝わる力がある」とアートセンター機能も持たせ、オープニングシリーズ第1弾では、現代美術ユニット「L PACK.」による展示「芸術家売屋図(アーティストバイヤーズ)」を展開(今月26日まで)。渋谷と新潟・長岡で活動アーティストの作品をセレクトし展示する。 

 併設するカウンターでは、「ユニークネス」「SNS映え」「日本の素材」などをキーワードにしたドリンクを用意。バタフライピーティーゼリー入りの京抹茶ラテ、ボトルで提供する新潟・魚沼の甘酒にシナモンやカルダモンなどのスパイスを使ったチャイ(以上680円)、パイナップルとジャスミンティーのフローズンカクテルに「コロナビール」を瓶ごと突き刺す「フローズン・パイン・コロナリータ」(980円)など。港区で造られている純米吟醸酒「江戸開城」(900円)は追加500円でオリジナルの升付きで提供する。今後はスナック類も販売する。

 若津さんは「働く人、買い物に来た人、観光に来た人も交わる場になれば。渋谷区が掲げるダイバーシティーの縮図、いろいろな価値観の人が交流しあって街の魅力を語り合う場にしていければ」と意欲を見せる。

 同所は23時まで営業することで都や区が取り組むナイトタイムエコノミー振興と連携し、夜間観光の活性化も図る。営業時間は10時~23時。

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