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2008年総決算!ティーンのブームはクマに豆腐!?
渋谷の10代女子に聞く「今年ってどうだった?」

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年末でにぎわう渋谷センター街と、昨年12月にオープンしティーンの新たな「遊び場」として連日にぎわうSHIBUYA109最上階の情報発信カフェ「SBY(エスビーワイ)」(TEL 03-3477-5163)で話を聞いた。


「ヒートテックって何?」−大人とは違う!? 女子高生的「2008年」

 世の中大半の動きとは別に、常に独自の「アンテナ」でキャッチする「面白いこと」——2008年を振り返るティーンに、マスの情報は関係ない。洞爺湖サミットや日本人学者のノーベル賞受賞など2008年重大ニュースの「定番」も、「テレビとかでは見たけど興味ない」(都内の高校2年生かなちゃん)とスルー。スイーツなどの食べ物ブームやファッションのブームも、ティーンには「別軸」だ。

 9月、日本1号店となる銀座店開業の際に約5千人の行列ができるなど一大ニュースになった「H&M」も、ティーンにかかれば「空いてたら入るけど並ぶほどのことじゃない」(都内の高校3年生、早紀ちゃん)と手厳しい。完売が相次ぎ年末商戦でも快進撃を続けるユニクロの人気商品「ヒートテック」に至っては、言葉を知るだけでその存在も知らない女子高生が多数。冬でもホットパンツやミニスカートで「おしゃれは我慢」を地で行くティーンには、「進化を続ける」ポカポカ効果も響かないようだ。

 逆に「イン」したのは、柄ものやカラフルなものなどバリエーションも増え「定番」になりつつある「カラータイツ」。ショート丈のボトムやワンピースなどさまざまなスタイルに合わせ冬でも取り入れている。足元では今年、モコモコとした見た目と気軽に取り入れられるカジュアルさがうけたムートンブーツが女子高生の間でもブームに。同じ太めのシルエットで足元に重みを持たせるアイテムでも、「今履いてるとやばい。学校にも1人もいない」(千葉県の高校2年生、未沙ちゃん)と、大ブームを巻き起こした「ルーズソックス」は完全に「アウト」。

 ファッションではほかに、SHIBUYA109の人気店「ギルフィー」のシャツワンピースが「よく着た。色違いで買っている子もいるぐらい流行った」(栃木県から来ていた高校3年生の美冬ちゃん)と女子高生の間ではブームに。ギルフィーは昨年から人気が続くロゴ入りのニット帽シリーズも引き続き好調。109では、「ワンウェイ」「ココルル」などの人気店が店を構える6階の「REVIVE(リバイブ)」も急浮上。「安いし着回せるアイテムが多い。流行りものは手に入る」(都内の高校2年生、のぞみちゃん)と支持を得ている。

H&M、渋谷ブックファースト跡地に大型店?日本出店続々と(シブヤ経済新聞)渋谷「109」、秋の大規模改変?カジュアル、ロックなど新規6店(シブヤ経済新聞)


流れは健康志向!?−10代女子の2008年「食べ物」「モノ」編

 7月の「上陸」時には表参道・ソフトバンクに長蛇の列ができ大きな話題になった「iPhone 3G」も、コスト面や親指打ちが基本の女子高生にとっては当然の「スルー」。携帯音楽プレーヤーも、一部ではiPod派もいるものの、携帯電話でダウンロードする着うた、着うたフルがメーン。

 着うた関連では、無料配信していた着うたフルなどの音楽ファイルが著作権侵害対象となるとして10月に運営者らが逮捕された違法配信サイト「第3世界」のサービス停止もちょっとした話題に。「みんな使ってたから騒然となった」(都内の高校2年生)と声をひそめる。

 一方、年末商戦での出荷台数も好調とブームが治まらない任天堂ゲーム機「Wii」は、「バランスWiiボード」に乗ってゲームやトレーニングが楽しめる「Wii fit」も含め、自宅や友人宅などで「使った」というティーンも多かったが、「すぐに飽きた」(都内の高校2年生、江里花ちゃん)と、こちらも長続きはしなかった様子。

 各社がこぞってサイズを競ったメガバーガーブームなど「食べ物」編はどうだろう。甘いもの好きの女子高生に刺さったのは、マクドナルドの新食感デザート「マックフルーリー」。新フレーバーも続々と売り出され、「夏はお金があれば毎日食べた」(都内の高校1年生、まおちゃん)と心をつかんだ。モチモチとしたタピオカの食感が人気を集めるタピオカ入りドリンクもブームは継続。109などティーンの集まる場所に多く出店するこちからも、さっぱりとした味わいが特徴の「フローズンヨーグルト」にも票が集まった。

 「食べ盛り、ファストフード好き」のティーンのイメージを払しょくしたのは、渋谷に来る女子高生が「たまる」場所の変化。「マックは高くなったから行かなくなった」(都内の高校2年生、静香ちゃん)との意見から「300円台でおなかいっぱい食べられるのがお気に入り」(埼玉県の中学3年生、まきちゃん)という中華チェーン「日高屋」支持の渋い意見まで食欲やトーク欲を満たすティーンの居場所も徐々に変化を遂げているようだ。

 ファストフード離れを裏付けるひとつが、今年各社が競って新商品を発表し話題を集めた特大サイズのメガバーガーブームに対する10代女子の無関心。通常より高く付く価格設定や太る、などの理由がほとんどで、対象外に。一方で一部が「挑戦はしてみた」という朝バナナダイエットをはじめ、即席麺の「スープはるさめ」など全体に健康を意識した食生活が多く聞かれた。

 「夜ごはんのおかずで毎日食べた。ヘルシーでおいしい」(前出・高校3年生の早紀ちゃん)という豆腐や、同じく「ヘルシーだから飲む」(都内の高校3年生、理沙ちゃん)という豆乳、肉の代わりに豆腐を使った「豆腐ハンバーグ」がマイブームだったという女子高生も。

「iPhone」日本上陸、ソフトバンク表参道に1,500人超える行列(シブヤ経済新聞)渋谷109・女子高生の「遊び場」に新スイーツ、ブーム発信へ(シブヤ経済新聞)
マクドナルド、表参道と渋谷に「クォーターパウンダー」期間限定店(シブヤ経済新聞)


人気急浮上は佐藤健−「ROOKIES」など20時台ドラマが話題独占

 「超かっこいい!」ティーンの好きなタレントの中でも圧倒的人気を誇ったのが、今年「ROOKIES」「ブラッディ・マンデイ」など共にTBS系20時台のドラマに立て続けに出演した若手俳優、佐藤健(たける)さん。ROOKIES岡田優也役のドレッドヘア姿や、ブラッディ・マンデイではクールな演技も人気に。今年は1月まで「仮面ライダー電王」に主演するなど活躍、ドラマの裏話などをつづったブログもランキング上位の常連。

 ドラマ、ブラッディ・マンデイで主演、昨年公開された映画「恋空」から人気が衰えない三浦春馬さんも、佐藤さんと人気を二分する若手。映画やドラマ、CMと大活躍し、ドラマ「ごくせん」にも出演。整った顔立ちと大人びた雰囲気がティーンに人気を集めている。ほかに若手俳優で人気を集めたのは熱愛報道も「ショックだった」(都内の高校1年生、ゆいちゃん)という水嶋ヒロさん、「イッチー」の愛称で親しまれるドラマROOKIESの主演、市原隼人さんなど。

 オリコン発表の2008年シングル売り上げランキングで1位、2位を「独占」したことでも注目が集まったアイドルグループ「ARASHI」は、「歌がうまいしトークも面白い。みんな好き」(都内の中学3年生、ゆりかちゃん)と手厳しいティーンもバランスのよさを評価。安定した人気を誇っている。

 「お笑い」人気は、気の抜けたラップトークなどがウケたお笑いコンビ「ジョイマン」がティーンの間では一歩リード。コント中にも頻繁に飛び出す「(まことに)すいまメーン!」のセリフは軽い流行語にも。主に学生に扮したコントで知られる若手コンビ「はんにゃ」や「M-1グランプリ」で優勝を争ったオードリーも、好きな芸人に多く上がったコンビの1組。

 好きな芸人が変われば、注目芸人の「拾い方」も短いサイクルで移り変わるのがティーンの特性。昨年までは日本テレビ「エンタの神様」が登竜門になっていたが、最近は「全体的に笑いの質が落ちた」(前出・高校2年生ののぞみちゃん)と別の番組へとくら替えするティーンも多数。代わりに台頭してきたのが、フジテレビ「爆笑レッドカーペット」。ネタのコンパクトさやカーペットが終わりを告げる新スタイルなどが人気で、「TKO」など旬の芸人のチョイスも支持されたようだ。

 一大ブームにもなった「羞恥心」などに代表される「おバカ」系タレントは「全然興味ない」(栃木から来ていた高校3年生の真理ちゃん)というスルー派から、「ユッキーナかわいい」(都内の高校2年生、みおちゃん)と「ギャル系」タレント、木下優樹菜さんを支持する声まで人気は分かれたが、ブームにもクールに対応するティーンが目立った。

好きな音楽から癒し系「クマ」人気まで−2008年ガールズブーム総決算

 気になる新曲はすぐにダウンロードして情報交換するのがティーンの鉄則。2008年、無数のミュージシャンの中から選ばれたのは、ボーカル&ダンスユニット「EXILE」が断トツ。次々とリリースされるキャッチーなメロディーの楽曲や、音楽番組などで披露されるダンスパフォーマンスが人気を不動のものに。

 「歌もいいしかっこいい」(前出・高校3年生の真理ちゃん)という「正統派」意見もあれば、「謙虚な感じ。売れて天狗になってないのがいい」(高校3年生の美穂ちゃん)と見ていてシラケない「姿勢」を評価する意見や「TAKAHIROが新しく入ってからファンが増えた」(前出・高校2年生の静香ちゃん)という新加入メンバー支持派まで人気の理由はさまざま。

 ドラマROOKIESの主題歌を歌ったボーカルグループ「GReeeeN」も、よく聴かれたグループの1組。女性では、「そばにいるね」が大ヒットした青山テルマさんや同世代の歌姫としてファッションなども支持された加藤ミリヤさんらの名前が多く上がった。6年ぶりのベストアルバムも絶好調だった安室奈美恵さんや未だに「あゆ」の愛称で親しまれる浜崎あゆみさんを挙げる声も。

 好きな雑誌は、菅野結以さんや小森純さんら人気モデルを抱える「Popteen」(角川春樹事務所刊)やお姉ギャル向けファッション誌「JELLY」(ぶんか社刊)などがイン。ファッションで参考にするのは「赤文字系」雑誌「ViVi」(講談社刊)の支持が圧倒的で、マリエさんや藤井リナさんなど好きなモデルにViViモデルを挙げるティーンも多かった。

 「キャラクター」ものでは、ピンクや水色、イエローなど若者受けしそうなパステルカラーやメルヘンチックなキャラクターがティーンの心をキャッチした「Care Bears(ケアベア)」を筆頭に、「クマ」系キャラが大人気。バッグや携帯ストラップとして付けられるミニタイプのぬいぐるみが人気で、「癒される」との声が多数。

 ほかに、ゆるりとした独特なキャラクター設定で幅広い世代に人気の「リラックマ」や、ケアベア同様アメリカ生まれの「Suzy's Zoo(スージー・ズー)」に登場する、赤いハートマークがトレードマークのクマキャラ「Boof(ブーフ)」など「カワイイ」もの好きのティーンのハートに訴えるクマキャラブームはまだまだ続きそうだ。

原宿Kスタに「EXILE」仕様の限定リスモ−ダンス体験ブースも(シブヤ経済新聞)
代々木で「ポップティーン祭り」−1万人動員、益若つばささんも登場(シブヤ経済新聞)渋谷パルコで米人気ベア「ケアベア」の世界展−希少ビンテージ品も(シブヤ経済新聞)


渋谷の10代女子に聞く2008年のニュースやブームは、世の中とリンクしながらも、その鋭いアンテナにかかれば1カ月先ももう「過去」。実際、「2008年を振り返る」行為そのものについて「思い出せない」「分からない」との回答も多く、常に新しいものに目を光らせ「今」を生きるティーンの生態が浮き彫りになったかたちだ。

 2008年、10代の「アンテナ」が拾ったニュースやブームに、来年のヒットの鍵をにぎるヒントが隠されているかもしれない。

SBY
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