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「東急プラザ 表参道原宿」屋上に「おもはらの森」-開業に先駆け公開

すり鉢状の「おもはらの森」の随所には8種ほどの樹木を植えている

すり鉢状の「おもはらの森」の随所には8種ほどの樹木を植えている

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 商業施設「東急プラザ 表参道原宿」(渋谷区神宮前4)の屋上「おもはらの森」が3月28日、3週間後に迫った開業を前に報道陣に公開された。

万華鏡をイメージしたエスカレーターが特徴の外観

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 施設の屋上にパブリックな憩いの広場として設ける「おもはらの森」は、同施設を手掛ける東急不動産グループが展開する環境活動の一つ「生物多様性保全」に配慮。ケヤキやオリーブ、ブナなど8種ほどの樹木を随所に植えたほか、鳥のための水飲み場も用意。神宮前小学校協力の下、生徒が作った巣箱2つ設置。巣箱は日本鳥類保護連盟監修の下、明治神宮など周辺に生息するシジュウカラやスズメなどの鳥類の生態に合わせたという。同施設は同連盟が主催する鳥などの生き物に適した生息環境をつくる「バードピア」に登録した。

 おもはらの森は「一番日当たりが良い場所」に配した常緑樹・シマトネリコを避けるように設けたため、「中に入り込んだ部分」ができた形が特徴。随所に植えた木の根の深さからできた起伏を生かしてすり鉢状の広場にし、随所に色・形の異なる椅子を置いたほか、見立てによって椅子にもテーブルにもなる階段を設けた。

 中央には館内に木漏れ日が差し込むように六角形のトップライトを設置し、周辺には光を透かすように「葉が薄く繊細」なイロハモミジを植え、エレベーターから降りると「香りがするように」とカツラを植えた。トップライトを囲むようにカウンターを設け、特注で作った異なるデザインの椅子30脚も並べる。同所には「目線の近くに自然が感じられるように」と山野草も添えた。

 同施設開業準備室の大久保次朗室長は「表参道は30メートルの高さまでしか建物を作ることができないので、このような空間が生まれることは分かっていた」とし、デザイン・設計を手掛けた建築家・中村拓志さん(NAP建築設計事務所社長)には「緑豊かな環境、街との調和」「(来店客を)上層階に呼ぶ仕掛け」をお願いしたという。

 中村さんは「明治神宮の豊かな森と、ケヤキ並木の参道がこの場所の特徴。建物にも取り込んで最大限に生かしたいと思った。設計する前に既に豊かな森と並木があって、鳥や昆虫などすでに住人がいたので、『木が主役』の建物にした」と振り返り、「代々木体育館なども望め景色が良く気持ちがいいので、気軽に足を運んでいただき、ゆっくり過ごしていただけるのでは」と話す。

 建物全体に関しては、神宮前交差点に向いて位置する、かねて同所にあった「セントラルアパート」のファサードに使われていたミラーガラスを用い、万華鏡をイメージしたエスカレーターには、「最初にやりたかった以上に効果的にできた」と思い入れを込める。

 同所に面して、スターバックスやカジュアルダイニング「bills」の出店が決まっている。同館は4月18日開業。 

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